横隔膜の上下運動はすべての内臓を刺激し活性化する|腹筋ではなく呼吸筋を意識

呼吸についてはこれまでにも記事にしました。

この記事の文末に書いたように、さらに掘り下げて記事にする予定でしたが、そのままになっていました。あまり、反響もなく・・・。記事の出来がお粗末で理解していただけなかったかもしれません(>_<)

たまたまXで「これなら理屈抜きで一目瞭然」という動画を見ましたのでご紹介します。

この動画は横隔膜の上下の動きにより内臓が刺激されている様子を示しています。横隔膜の動きをイメージするのにとても良い動画です。

投稿された方は「笑うことが最も横隔膜の上下運動を起こす。」と指摘されています。まったくそのとおり、と思いますが、もっと簡単に「横隔膜の上下の動きを活発にするコツ」があります。それは呼吸です。

前の記事の内容と重複しますが、呼吸の解説記事は「横隔膜・腹式呼吸」というつながりで解説されたものが大半のため誤解されていると思います。又、横隔膜の重要性を説いた記事でも、続けて「腹式呼吸」が説明されます。確かに腹筋を使った腹式呼吸は横隔膜を動かしますが、もっと横隔膜を動かす筋肉があります。

ものしりウサ君

腹筋とは腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋の4つの骨格筋だよ。

 

ちなみに「腹式呼吸」に対応する「胸式呼吸」ですが、どちらかの方法で呼吸するのではなく、通常の呼吸ではこれを同時にやっているのです。詳しくは前記事の「腹式呼吸・胸式呼吸」

横隔膜は腹式呼吸を行う腹筋によっても動きますが、日常生活で不随意的な動き(意識しない動き)として横隔膜を動かしているのは腹筋よりも呼吸筋なのです。なので、横隔膜を大きく動かしたいなら腹筋の前に呼吸筋を鍛えるべきなのです。

 

ものしりウサ君

呼吸筋とは「呼吸を行う筋肉」の総称だね。
呼吸をするときに胸郭の拡大、収縮を行う筋肉のこと。
吸気には胸鎖乳突筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋が働くよ。
呼気は筋肉の動きなしに横隔膜が弛緩することで行われるけど
補助的に内肋間筋、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋も働くんだ。

 

胸腔を広げる筋肉が弱いと、息を吸った時、胸腔が大きく膨らまず吸気の量も少ないです。
次の動画は呼吸の際に筋肉や肋骨、その中の肺、横隔膜の動きを捉えたものです。
引用元:アドビストック
このように呼吸筋が肋骨を広げ、同時に横隔膜が収縮することで(肺が膨らむ余地がうまれるので)肺が膨らんで空気が肺に入ります。

 

 

横隔膜が収縮して胸腔が広がるのはイメージしにくいですね。

 

横隔膜はこのように緩んでいるときは吸い込まれたようにドームのような形で胸腔に張り付いているのです。収縮するとドーム状からやや平坦になって下がります。その分肺が広がるのです。
呼気は筋肉の動きなしに行われます。横隔膜は弛緩して、*胸腔の隙間の圧が低くなるためドーム状に上に吸い込まれます。これで肺の中の空気が押し出されて呼気になります。

 

*胸腔の隙間の圧 これがわかりにくいですね。
胸腔内の圧はなく、胸腔の周りのスペースの圧です。
つまり、胸腔周りの圧が高まると胸腔は狭くなり
胸腔周りの圧が下がると胸腔は膨らみます。

 

日常の呼吸(平静時呼吸)を深くすると横隔膜の動きもダイナミックになります。そのために意識するのは呼吸筋です。腹筋を無視してw呼吸筋に注目します。

呼吸の仕方をあれこれ試してきました。全記事を書く時色々調べて知恵がつき、ネットにあるレクチャーは無視して自分の体感をみながら工夫して来ました。その結果、吸気量が随分増えました。吸気と保息の長さが次第に長くなっています。呼気はさほどでもないので、体が取り込む量が増えていると思います。

 

おっちゃん

そら、そやな。
吸った分と吐く分が変わらんなら
なんのために息してるかわからんわ(笑)
吸うた分-吐いた分=体が取り込んだ量
簡単な算数やで。

 

 

 

呼吸筋をトレーニングするのに有効な動きだと気づいたのでご紹介します。

  1. 安定した姿勢で腰から肋骨の下までをまっすぐにします。(立ってでも、座ってもいいのです)
  2. この体幹部分は傾けたり曲げたりせず固定し、肋骨から上の部分だけを後ろに曲げます。
    のけぞる形になります。一箇所で折れる感じではなく、細かく曲げて脊柱をカーブさせるとイメージします。
  3. 息を吸いながら、脊柱起立筋を始めとする背筋をグッと縮ませてのけぞると肋骨が広がるのがわかります。空気もたくさん入ってくるのがわかります。首もグッとのけぞります。気道が開いて空気がたくさん入ってきます。首をそらすことに頼り切ると背筋を使わなくなるので首は最後の仕上げ、位の意識でやってください。
  4. 曲げきった姿勢でしばらくその状態を保ちます。息を止めるのではなく吸いきった状態を保ちます。「保息」といいます。
  5. そろそろ限界、となったらゆっくり息を吐きながら姿勢を戻し、今度は前方に背を丸めます。この時、背筋がストレッチされているのを感じます。
  6. 吐ききったら、ここでも保息。限界が近づいたら姿勢を戻しながら息を吸います。
    一気に吸わず元の姿勢に戻り、そこからさらに吸いながらのけぞります。

 

1に戻って、これを繰り返します。筋肉の縮む、伸びる動きにともなって、肋骨が開いたり閉じたりするのを意識してみると、吸い込む空気の量も随分違ってくることに気が付きます。

慣れてきたら、後ろに反る、前に丸まる、どちらの動きでも少しひねりを入れて体側の筋肉も意識するようにします。

難しく考えず肋骨周りを意識して
肋骨に囲まれた胸腔をゆっくり大きく膨らます。
ホッと緩める。
この繰り返しです。
吐き出すことは意識しなくてもok

 

このやり方を時々やっていると、次第に吸入量が増えて、呼吸筋の動きもよく分かるようになります。慣れてきたら、横隔膜を意識するとダイナミックに上下しているのがわかります。

これまでは「呼吸によって取り込むエネルギー」は「食事で取り込むエネルギー」より圧倒的に重要だ、と思っていました。今回のX投稿のお陰で、呼吸はそれだけでなく内臓も刺激する生理作用があることがわかって得した気分です。

 

 

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