何が切っ掛けだったか忘れてしまいましたが、最近「釜炒り茶」というのを知りました。飲んだことないな~、と購入しました。飲んでみると、飲んだことのある懐かしいお茶でした。
流石に今ではなくなっていると思いますが、昔、汽車に乗ると車内や、停車駅でお茶が売られていました。古くは焼き物の急須型の容器で、ままごとに格好のものでしたねぇ。その後、ポリ容器になりましたけどね。そのお茶がこの釜炒り茶だったんですね。(九州育ちなので、この地域限定だったかもしれません)
この話が通じる方は少ないでしょうから、別の切り口で。この釜炒り茶、中国の緑茶と同じ味です。それもそのはず、一説によると、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に日本に持ち込まれたそうで、煎茶が一般的になるまでは庶民のお茶の主流でした。今では九州の一部地域でのみ生産されていて、令和元年の日本茶生産に占める釜炒り茶の割合はわずか0.02%程度。店頭ではお目にかかれない希少なお茶です。
製法は摘み取った茶葉を蒸さずに釜で炒る。その後、天日干しにする。炒ることで香ばしさが加わるので「これ、緑茶!?」という風味になります。
そもそも緑茶とは、茶葉の発酵(酸化)を止めた「不発酵茶」のこと。
発酵を止めるやり方には「高温で蒸す」のと「すぐに加熱する」がある。
煎茶や玉露をはじめとした大半の日本茶は、蒸してるんだよ。
揉み方の違いもあるよ。
茶葉を揉んで針状に仕上げる煎茶に対し、釜炒り茶は釜でかく拌しながら乾燥させる。なので勾玉状の茶葉になるんだ。
釜で炒るお茶には「ほうじ茶」もあるが、こちらは乾燥させた茶葉を炒るのじゃ。釜炒り茶の方は生の茶葉を炒るから、これ、まさに「似て非なるもの」なのじゃよ。
この釜炒り茶は味以外に「タンニンやカフェインが一般の緑茶よりも少なく、カテキンが多い」という特徴があります。
1. 釜炒り茶 14.10~18.16%
2. 蒸し茶・煎茶 13.56~14.14
3. 蒸し茶・玉露 10.04~10.79%
タンニン、カフェインが少ないので量を多く飲んでも胃が痛くならないのがいいな。で、カテキンもしっかり摂れるし。
この過去記事、読み返してみたらカテキンには体脂肪低減効果もあるって♫
淹れ方ですが、「蒸し茶と同じくらいか、やや高い温度で」とネット情報にありました。私はお茶の入れ方がまったく下手なので参考にならないと思いますが、80度くらいで淹れたら渋みが強かったですね。しかし、これより低い温度で淹れたら渋みは減りましたが旨味も色も出ない。
「それなら、いっそ」と水出しにしました。蒸し茶の水出しよりも時間がかかりますが、お湯で入れるより渋みもなく美味しいです。30分位で飲めます。
寝る前に用意しておくと翌朝は色・味ともに程よく出ています。時間が掛かる分、味濃く出るので茶葉はうんと少なく。あるいは水多めで。ちなみに水出しするとお湯で出すより茶葉が半分以下ですみます。これは蒸した緑茶も同じです。目安として、茶葉は半分、水の量は二倍、なので結果的に四分の一ですみます。
あとはお好みで。
暑くなると蒸し茶の水出しをよく作ってましたが、これからは「釜炒り茶」にしようと思います。なにせ、胃に優しい。
いいもの見つけました。ちなみに「釜炒り茶」は九州の山間部で小規模に作られているので、特に表記されていなくても無農薬のものが大半のようです。
ワタシが購入したのは798円の方ですが、699円の方も遜色ないようです。リピはこちらにしようと。楽天のショップで「荏胡麻粉末」と合わせ買いしました。