「円形脱毛症」の最新治療「局所免疫療法」エキシマライト|WBS「治る!最前線 」

18日WBS「治る!最前線 」で「円形脱毛症」の最新治療が紹介されました。
今回、紹介されたのは「局所免疫療法」と、「エキシマライトという紫外線による治療法」の2つ。
番組では物足りなかったので、ネット検索して得た情報を交えてまとめました。

 

■ 円形脱毛症とは

ある日突然、頭髪が円形や楕円形に抜けます。
国内の患者数100万人と推計される、誰もがなり得る病気です。
一生のうち1.7%程度の確率で発症すると推計されています。この発生頻度は日本人でもアメリカ人でも変わらず、男女差はありません。
円形脱毛症はどんな年齢でもなりますが、患者さんの1/4は15歳以下で始まり、全頭型や汎発型などのひどい脱毛も小児に多くみられます。
命に関わる病気ではありませんが、患者さんの心へのダメージが大きい病気です。

 

■ 脱毛パターンによる円形脱毛症の分類

  1. 単発型   頭髪が硬貨大に1箇所抜ける
  2. 多発型   硬貨大の脱毛が数箇所に起こる
  3. 全頭型   頭髪全体が抜け落ちる
  4. 汎発型   頭部だけでなく、眉毛やまつ毛など全身の体毛が抜けてしまう

脱毛の範囲が狭い単発型の軽症の場合、多くは半年ほどで自然に治りますが、頭髪全体が抜け落ちる「全頭型」など重症の円形脱毛症の場合、治療が長期になります。

 

■ 発症の原因

長い間、円形脱毛症の原因はストレスと思われてきましたが、ストレスや思い当たる出来事がなくても円形脱毛症を発症するケースは多く、インフルエンザなどの感染症が脱毛のきっかけになる場合もあります。
ストレスは症状を誘発する要因の1つに過ぎず、根本的な原因は何らかのきっかけによって起きる「自己免疫反応」だと考えられています。

自己免疫反応とは
本来、ウイルスや異物などから守ってくれるはずの免疫細胞が、自身の特定の組織を「異物」と誤って認識し、攻撃してしまう反応です。

円形脱毛症は、免疫細胞のTリンパ球が毛根周囲の細胞を異物として認識して攻撃することで、脱毛が起こります。

 

局所免疫療法

免疫細胞のTリンパ球の攻撃が抑えられれば元通りの毛が生えてきます。
局所免疫療法は、脱毛部に特殊な薬品(SADBE、DPCPなど)を塗って人工的にかぶれをおこさせることで、局所の免疫状態を変化させ、発毛を促そうという治療法です。
報告によって差はありますが、この治療の有効率は60-70%とされています。
通常2週間に1回程度、SADBE液を脱毛部に外用します。
この治療の機序はまだ十分にわかっていませんが、かぶれによって引き起こされる種々の反応が毛に対する自己免疫機序を抑制すると考えられています。
治療効果が現れるまで数カ月程度かかることが多いです。

副作用について
稀に一過性に蕁麻疹が生じる方がおられます。一番多いのは、塗ったところがかぶれすぎることです。妊娠中の方には使用できません。

 

エキシマライト治療法

エキシマライトという紫外線は、免疫細胞の活動を抑制します。
髪の毛を作る細胞を攻撃しないよう、エキシマライトで免疫細胞のTリンパ球の活動を抑制させて脱毛を防ぐ治療法です。
患部に直接当てるターゲット型光線療法は、従来の光線療法に比べ、波長 域が308ナノメーターに限局していることで光の深達度が高く、治療効果を感じられるまでの時間が短く、かゆみが おさまるのが早いなど治療効果に優れています。
照射範囲が狭いので、疾患患部のみを 治療できます。
1回あたり数秒 ~ 数10秒、1週間に1~2回ペースで治療を行います。
痛みはありませんが、若干の熱さを感じることがあります。

 

 

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