
身延町に住み始めて一ヶ月くらいで気づいたのですが、水回りに水垢がつくのが早いのです。
え!?というくらいすぐに白い跡がつきます。横浜の水道水ではほとんど気にならなかったのですが。なので水跡が残らないようにまめに拭き取るようにしていました。キッチンは新品ですからw
寒くなってから保温ポットを利用しているのですが、このポットの内側がざらついているのに気づきました。クエン酸を薄めてゆすぐとすぐにきれいになりましたけど。一週間ほどで全体にザラッとなにかがくっついています。これを機に身延町の水質についてあれこれ観察しはじめました。
匂いは全く無いのでこれはカルキ(水道水に含まれる次亜塩素酸カルシウム)ではないと思います。嗅覚・味覚には自信ありますw
ある時、富士川の流れを眺めていて、絵心を刺激されることがありました。
石の水に濡れている部分は黒く、陽があたって乾燥している上の方は真っ白なんですよ。背景の川面は青。その対比がとてもモダンでこれをコントラスト強めに描けば素敵な絵になりそうだなぁ・・・、と眺めていたのですが、ふと気づきました。

あの白いのは珪素じゃない!
うわわ!富士川ってシリカ水なのかぁ!!!
そういえば、身延町の水道水はくっきりした味わいです。ミネラルイオンを多く含んでいる可能性が高い。ワクワクして検索しましたが、山梨の水道水のレポートなどに身延町のデータがありません。隣町、富士川の向こう岸の市川三郷町のデータがありました。それによるとなかなかの硬度です。
山梨県内の複数の水道水のデータの硬度はかなりの幅があります。市川三郷町は硬度の高さでは特異的な地域のひとつでした。向こう岸だから身延町も同じような数値と推定できます。
更に検索すると「山梨県富士川流域の水道水質の特徴」という2010年のレポートが見つかりました。対象地域は以下の範囲で丸印が家のあたりです。多分w
もともとが工業・農業などの排水による水質の安全性を確認する目的なので、噛み砕いて把握する必要があリましたが、以下の特徴があると記載されています。
- 人為的な影響が指摘される Na や Cl 濃度は低く、硝酸態窒素濃度も低いことから、この地域の水質は人為的な影響は低いと考えられる。
- 農業地面積が甲府盆地と比較して小さいことから、本調査地域の硬度(Ca,Mg)起源は、水質が形成される地質・岩石要因が大きいと推定される。
ということで、安全性に全く問題がないと結論されています。
興味深いのは補足的に電気伝導度が高いことにふれて、「硬度と電気伝導度では相関性が認められ、硬度が水質形成に寄与していると考えられた。」としています。
電気伝導度(EC)というのは水質検査にある項目ですが、排水に含まれる鉱物が多いと電気伝導度が高くなるので、この数値を確認することで汚染度を判定するようです。

電気伝導度(EC) 単位(μS/cm)
水の電気伝導率とは、水の電気の通しやすさを示す値です。
純粋な水はほとんど電気を通しません。水にイオンが溶けることによって電気が通りやすくなります。
したがって、電気伝導率は水にどの程度のイオンが溶けているかを示し、河川水などの汚れ、ボイラー水や冷却水などの腐食性、スケール発生の目安となります。
ちなみに自然界における水の一般的な電気伝導率です。富士川の平均ECは231.8です。
参考になったことは【取水サンプルに電気伝導度が高いものがあったが、それは硬度が高いことと相関しており、硬度の高さは水質が形成される地質・岩石要因が大きい。】としているところです。
隣町の水道水の硬度とこのレポートの概要を勘案すると、身延町の水道も硬度が高く、それは自然由来のミネラルイオンが含まれているからで、その事により電気伝導度も高いと思われます。
ちなみに水道水のphを測ったら7でした。身延町の水道水の取水地は山奥の伏流水で、流れ流れて富士川に流れ込むようです。
確認できる資料は得られませんでしたが、富士川河原の石の白いものや水道水の白いものは珪酸であろうと想像できます。お湯にすると濃度が濃くなって保温ポットに付着しやすくなるのだろうと思います。
ワタシ的に水に求める要素として、「電気伝導度の高さ」があります。なので天然水を購入するときも含有ミネラルをチェックしていました。電気伝導度が高いのは多くのミネラルがイオンの状態で含まれているということです。
人は電気的エネルギー存在であり、体の生理機能もごく微弱な電気によって行われているからです。血液やリンパ液などの体液が電気伝導度が低いと栄養も回らないし、排泄も滞りますからね。

うわーい。
こんな素晴らしい水をジャブジャブ使えていたのかぁ♪
データ資料