「新年号の発案者は明らかにしない。」というお約束だったはずなのに、新年号発表後、2日を待たず、世に知られるところになっていますね。
テレビのニュースにまで出てしまって。
発案者は万葉集研究の第一人者・中西進大阪女子大名誉教授(89)だとされています。
「令和」の令の読みを'うるわし'と書いての進言だった、と報道されました。
これを聞いて「令をうるしいと読むのか!?」と驚きました。
「令」については、「命令の令だから感じが悪い」という指摘もありますが、「うるわしい」とよむのはこういうネガティヴな見方とは真逆ですね。
すてきですね。麗しいという意味の漢字が年号に使われるなんて。
きっちり納得したい、と思って、「令」という漢字について検索したところ、なかなか深い漢字であることがわかりました。
安部首相を意識してか石破氏が
>「令」は「頭上に頂く冠と、ひざまずく人の図が組み合わさって生まれた漢字」で、これは権力と従属させられる側の構図でいかがなものか・・・。違和感がある。
と発言しています。
自分の器を小さく見せただけやないか(^^ゞ
このような見方をけ散らすような解説がありました。
>「令」の初めの二画は、「集める」を意味する文字であり、下の三画は、「人」を意味します。
ということは、人々が集まっている様子、ということですよね。
「令」の後に ” なごやかな、おだやかな、争いのない、調和する” などの意味がある「和」が組み合わされるのですから、「人々が集まって和やかな様子」「人々が集まって調和して平和な様子」なんて意味になるじゃありませんか♪
あら、素敵~♪
他に、漢字「令」には ” 立派な、清らかで美しい、おめでたい、喜ばしい " などの意味もあります。令息・令嬢などは「立派なお子様」ということですね。「令聞」と言う言葉には「よい評判」という意味があるそうです。
また、金田一秀穂氏がテレビで話されていたのですが、「令」には古い意味では「神様のお告げ」という意味もあるそうです。
「仏語」(仏の説いたことば、仏の教え)には「皆令満足(カイリョウマンゾク)」というものがあり、その意味は「仏が慈悲の心で衆生の願いをすべて叶え、満足させること。」だそうです。
ここまで知ると「命令の令」とか「支配者・被支配者の構図」などというネガティブな見方は浅学そのもの、と思えます。
出典となった万葉集の
初春の令月
気淑(よ)く
風和(やはら)ぎ
梅は鏡前の粉を披き(ひら)
蘭は珮後(はいご)の香を薫(かお)らす
この文章も雅で上品で素敵ですね。
「平成」は「平和になって欲しい」と願いたくなるような天変地異が続いてしんどかったですが、「令和」はちょっと違う時代になりそうで気持が明るくなります。
「ちょいダサで、実直な公務員のおじさん」で
「令和」は「凜とした自立した若い女性」ってイメージ。(笑)
ロバート・キャンベルさん(日本文学研究者)が新年号と決定までのいきさつを絶賛していました。
「日本の最古の歌集からとったということがうれしい。日本人が8世紀に実際にみた風景、体で感じた春の風、光を言葉にしたことを、これからの私たちの時代に重ねたことはすばらしい発想で、高く評価したい」
「これまでの元号は為政者の立場からのものだったが、今回は、春を迎え、花を見るという、誰でもイメージできる喜びを表している。皆が共感でき、日本が発信できるイメージとしてはとてもいい」
使える小技
令和と西暦の換算は「和暦の年数に18足す」とOK。
例えば、令和5年なら、「018(レイワ)」を足して(2)023 → 2023年