「低血圧でふらつくのでブドウ糖で対処している」という記事をアップしましたが、ぶどう糖について調べたことの備忘録です。低血圧ひどくて脳が動かない (2020-10-17 )
※低血圧を原因とする不定愁訴の解消にブドウ糖が有効、という意味ではありません。低血圧症の改善に良さそうなことをあれこれ調べている中で、ブドウ糖について理解したことをまとめました。
食べ物の役割からみた糖質
食べたものは3つの働きをします。食育ではそれぞれの働きをする食品を赤・黄・緑の3色に色分けして「3色食品群」としています。
- エネルギー
- 体を作る
- 体の調子を整える
糖質を含む炭水化物、穀類、砂糖などは黄色のグループ「エネルギーのもとになる」に入ります。
エネルギーとなる食品
チカラや体温などのエネルギーとなるのは、主に糖質(炭水化物)と脂質で、糖質の摂取量が足りないとタンパク質が分解されてエネルギーになります。
使う分より多くなった糖質はグリコーゲンや中性脂肪に変わって、脂質は脂肪になって体内に貯められます。
日本人の場合、摂取エネルギーの約6割をコメ・小麦などの穀物、などの炭水化物や果物や砂糖に含まれる糖質から得ています。
欧米は肉食系だから脂質からとる割合が多いんだな。
糖質の分類
- 単糖類
・ブドウ糖(グルコース)(英語ではグルコースと言います。)
・果糖→はちみつ、果物などに多く含まれる。
・ガラクトース - 二糖類
・ショ糖(シュクロース)麦芽糖(マルトース) - 少糖類
・乳糖(ラクトース)
・オリゴ糖(ラフィノース) - 多糖類
・デンプン
・グリコーゲン
ブドウ糖(グルコース)の特長
「ブドウ糖(グルコース)は脳のエネルギー」といわれますが、それは「脳関門(血液脳関門)」を通過して脳に届く糖はブドウ糖(グルコース)だけだからです。ブドウ糖(グルコース)は脳だけでなく他にも神経細胞と赤血球の主要なエネルギー源でもあります。
血液脳関門について(余談)
これを読むと、いかにも脳の手前にフィルターのような組織がある、と思ってしまいますよね。
今回、実際にはそのような部位はないということを知ってびっくりしました。脳関門の実体は脳毛細血管内皮細胞なのです。そのためか、最近では単に「脳関門」ではなく「血液脳関門」と表記されています。
血液から脳組織への物質の移行を制限する仕組み。通常生体内で、物質は組織と循環血液との間を物理的化学的な法則の下、自由に移行(取り込み、排出)している。
一方、脳組織への血液中からの物質の移行は、厳密に制限されている。これを血液脳関門という。この血液脳関門の解剖学的な仕組みは、いまだ完全には解明されていないが、脳の毛細血管内皮細胞には細胞間に tight junction が存在し、物質の移動を制限している。
一般的に、気体の移行は自由におこなわれるが、水溶性物質は血液脳関門に存在する輸送担体によって輸送される。このため、輸送担体の存在するアミノ酸やグルコースなどの物質のみが脳組織へ移行できる。したがって、薬剤などを血液中に投与しても、基本的には脳組織へは移行しない。
血液脳関門(Blood-brain barrier, BBB)の解剖学的実体は脳毛細血管であり、脳室周囲器官を除いては、内皮細胞同士が密着結合で連結している。当初BBBは、この構造的特徴によって、細胞間隙を介した非特異的な中枢への侵入や、脳内産生物質の流出を阻止している物理的障壁と考えられてきた。しかし現在では、BBBは脳に必要な物質を血液中から選択して脳へ供給し、逆に脳内で産生された不要物質を血中に排出する「動的インターフェース」であるという新たな概念が確立している。
同義語:脳毛細血管、脳血管関門 引用元 脳科学辞典「血液脳関門」
糖を肥満の原因とだけ考えると危険なことがわかりました。あくまで摂り過ぎが問題なのです。
糖分を控えるのはエネルギー不足になり、その補填のために体の組成に使うためのタンパク質が消費され、その過程でビタミン・ミネラル類も使われてしまいます。
効率よく糖質を摂ることは食養の出発点ではないか、とすら思えます。
効率よく糖質をとることについては大きなヒントと食品の特定もできたので次に記事にしますよ。