
月曜日に右眼の白内障手術を受けました。左眼は2015年にやっています。
白内障は「水晶体が濁って靄がかかったように見える」と説明されていますが、私の場合、自覚症状はさほどなく、まぁ、薄っすらと黄色みを帯びて、ややぼやけた感じに見えていました。
左眼はすでに眼内レンズになっているので、左右片方づつ見て比べると右眼の白内障の進行度合いがわかります。さして進行しているとも思えませんでしたが、遠視が進むのが早い。(もともと遠視なのです)
ネットで調べると、水晶体が単に濁るだけでなく、固くなって膨らんで大きくなるそうです。固くなるので水晶体の厚みを加減する調整能力が落ちるんですね。遠視はもともとどこにも焦点を結ばないので、それがもっとひどくなっているのではないか。と考えました。
白内障の進行に伴って、目の疲れが酷い。遠視の度合いが進み、メガネのレンズをまめに替えなくてはならなくなります。それも一度のレンズ処方で馴染が良くなることは稀です。数ヶ月様子を見ても駄目だ、となります。処方したレンズが合わないときは”追加料金なし”で作り直しできるのですが、そのたびに細かく検査するので脳が疲れます。*利用しているオンデーズの場合、1年以内に2回できます。はじめも加えると3回試せます。
眼科で言われたのですが、診察時に眼底などを見る時、その場所に白内障の濁りがあると眼底が見えないのが(医師側からすると)問題だそうです。確かにそうですね。
こういう事を考えて「悪くなる一方でいずれやらなくてはならなくなるなら、気力があって元気な今やらないと。」と意を決したのでした。

ちなみにこの眼科は、ドライアイで行っているのに、行くたびに白内障手術を進めらていました。個人開業医ですから、月に一日が手術日。つまり手術回数が少ない。こんなとこではやれません。大学病院も若手医師の練習になってますから、こちらもリスクありますが、ベテラン医と組んでやります。
見ているのは脳
眼は見たものをデータとして脳に送ります。脳は左右の眼からきたデータを処理して映像として認識します。つまり、ものを見ているのは脳です。
ネットには「両方の目のデータを合わせることにより、立体として見ることが出来る。」とか「見える方の眼で見えたものが両方の目で見たものにおきかわる。」という説明がありますが、いささか疑問です。片眼で見たときも立体に見えているんだもの。片眼で見たときと両眼で見たときの立体感にはほぼほぼ違いを感じない。また、片方の眼で見たものと両眼で見たものは同じではありません。
日本の眼科医は「ものを見る」という視点が欠落しています。「見る」のは脳の機能の範疇となり、眼科医はもっぱら眼の生理的不具合しか対応しません。
眼ではなく脳が見ている、という視点での解説がわかりやすいページです。ご一読をおすすめします。 ▶川本眼科HPコンテンツ 脳でものを見る
オプトメトリスト資格
欧米諸国ではOptometrist(オプトメトリスト)という国家資格があり、これを持たない人が検眼してはいけない事になっています。ひとつの学術分野の扱いで、他の医師と同じくドクターと呼ばれます。メガネは医学的治療と捉えられています。メガネは視力矯正器具です。
日本では「ものの見え方」という学術的捉え方がなく、資格は必要ありません。街の眼鏡屋がやっています。
ちなみに国家資格がないことについては、随分昔から問題視する動きがあり、法整備の陳情などあったのですが厚生省は動いていません。眼科医とのすみ分けとか既得権益などが絡んでいるのか・・・。現状では志のある眼鏡屋がつくった検眼士認定制度とその養成機関があります。詳しくはこちらの日本眼鏡技術者協会などを見てください。他にも類似組織があるかもしれませんが。
眼科で検眼してもらえばいいかというと、眼科医は以上のような知識がなく、契約した街の眼鏡屋のスタッフがやっているとこもが多いです。
街の眼鏡屋ではスタッフがやりますが、そのスキルが問題になります。老舗の眼鏡屋だからといって最新のスキルを持つ人がレンズ処方するとは限りません。(これでえらい目にあったことがあります。)その逆もあって、大量生産で低価格に押さえているロープライス店にも高いレベルのスタッフ教育をしているところもあります。行政上の制約はないので、その店のポリシー次第ですね。
レンズ処方
とんでもないレンズ処方されてひどい頭痛がおきた時に、ネット検索して当時日本に3人しかいないというOptometrist(オプトメトリスト)資格を持つ人に診てもらいました。その時教えてもらったのですが、国家資格が必要なくらいなので、なかなか難しい話でしたよ。なので、詳しくは書けませんが、左右の眼を検査して、それぞれに矯正するレンズを処方する、という単純なことではなく、その先が重要だと。つまり左右のバランスなどをみて処方する段階です。
左右の眼からの情報には違いがあるのですが、脳が処理できる範囲に限度があるため、左右のレンズの処方はその範囲内の差異にしなくてはならない。
又、眼にも手と同じような”利き目”というのがあり、右眼が主になる、あるいは左目が主になるという特性があり、それも勘案して調整するそうです。
こういうことを知らない人が処方したレンズでは脳が情報処理できず、混乱して脳が疲れます。眼自体はどうということないのでレンズ処方が合っていないことに気が付かず単純に「頭痛かな!?」などと過ごしてしまいます。
最近は検査機器が進歩しているので、そういう機器を使っているところならまだマシですが、旧来の視力検査表などでアナログにやってるとこは危ないです。「経験上のさじ加減」という言葉が使われているんですからw
メガネ使用者の片方だけの白内障手術は大変です
白内障手術のあと、落ち着くまでの3ヶ月は眼鏡の処方をしてもらえません。(ネットでは一ヶ月としている病院もあります)なので、前回左眼の手術後、三ヶ月はそれまで使っていた眼鏡の左レンズを度ナシにしたものをかけていました。
眼内レンズ装着でメガネ不要になるわけではない
片方だけに眼内レンズをいれた場合、逆の方の眼は依然としてレンズによる矯正が必要なので、眼鏡は必要になります。
しかし、眼内レンズを入れた方の眼にもレンズ矯正が必要なケースもあります。装着するレンズの焦点距離によって、それを補完する焦点距離のレンズが必要になります。白内障手術で老眼も治った、という人もいるようですが、それは焦点距離が短いレンズを入れたからですね。
私は中間距離のレンズにしました。(5mだったかな。)
あと、乱視の場合、乱視の度数の度合いによっては乱視矯正もついたレンズがあります。私の左目の場合、「矯正度は弱いけれど乱視も楽になるわよ。」という説明でした。

実際、手術直後は裸眼でも手元の文字がくっきり読めました。
しかし、年数が経つと次第に乱視度が強まってメガネレンズでの矯正が必要になっています。
私の利き目は左で、左目に負担がかかっていました。(白内障手術するまでは)左目の矯正具合と右目の矯正具合のバランスは【左眼>右目】でした。
右眼が左眼より少し頑張らなくてはならない状況にしてありました。
それが、手術で真逆に劇的に変化した為、脳は左右の眼の情報をどう処置するか混乱して、体から(痛みの原因がないのに)痛みを受け取る誤作動を起こしました。(誤作動だった、というのはあとから分かったのですが)
メガネを使っていない場合、左右の眼の見え方の差は小さいので問題ないのです。メガネ使用の場合でも、左目手術後すぐにメガネを処方できれば、左右の見え方の差を小さく出来たのですが、レンズ装着後落ち着くまではレンズ処方が出来ないのです。
痛みは激しい頭痛と歯痛。歯痛はひどいのですが、どこの歯が原因なのか特定できなかったため、歯科医も処置できずに、一ヶ月位はただ痛み止めを服用するしかなかったです。この歯科医が「原因がないのに脳が誤解して痛みを感じることがある。」と聞きました。
人生で一番痛い思いをしました。痛すぎて、四六時中ヒィーヒィーと声を出してました。その間、歯を強く噛みしめていた結果、セラミックの被せものに顕微鏡で分かる程度の微細なヒビが入り、そこから虫歯菌がいっきに歯根まで到達しました。その結果神経を抜くことになりました。また、歯茎も歯周病寸前までの歯肉炎で、歯がグラグラです。
結局、歯の治療は1年かかりました。根管治療という歯を残す自費診療治療をしたので70万円近くかかりましたぁ(>_<)ちなみに白内障手術は15万円ほど。保険治療で3割負担で5万円位です。
術後経過診察のときに眼科医にこのことを訴えたら *ちなみに白内障手術では3本の指に入る東京歯科大の眼科です。予約に1年かかりました。
メガネを掛けていた人が片方の手術だけするとメガネを作るまで痛い人っているのよ。ま、3ヶ月の我慢ですよ。
手術自体は模範的な出来だから大丈夫。

片方だけの手術の場合、慣れるまで不具合が出ることもあります。
と聞かされていて、『それなら両方やってください。』とお願いしたところ
右眼の白内障はごく初期で、手術するべき段階になっていないから、医師として”必要ない処置”は出来ません。
と言われていました。
しかしこんなことになるなら右眼も手術の対象になる段階まで待って、両眼同時に手術するという選択肢もあったのに…。
なんだかんだで白内障手術より、副次的に起きた歯の治療のほうが大変でした。この事があったので、今回の手術についても、脳がどのような反応をおこすのか、いささか不安でした。しかし、今回のは手術後の両眼の差は(以前の手術後とは違って)手術前より小さくなくなるはずなので、案外大丈夫かも、などとも考えていました。
ヒェ~またかぁ!と焦って歯科医院に行きました。
いずれこうなるものなんですよ。まだ未完成段階なのよね。
白内障手術の実際

両眼とも手術して気づきましたが、左右で色が違います!
メーカーによる違いだと思いますが、左眼でみると白色光、右目は昼光色って感じ。こういうことを考えると、両眼、同じ病院でやるほうがいいと思います。
眼薬で瞳孔を開かせて、まぶたが開いた状態に固定する器具をつけます。(これは同じ)眼球に麻酔注射するので痛みは感じませんが、白目に注射の際の出血が残ります。6日経過で殆ど消えています。
乾燥を防ぐためと、血で見にくくなるのを防ぐために手術の間中、眼に水が流れた状態になります。目を見開らかされているので否応なくこれが見えます。なんかきれいで面白かったです。
水晶体超音波乳化吸引術「ファコ」としても知られ、今日白内障の除去に使用される最も一般的な技術です。通常、水晶体超音波乳化吸引術によって白内障を取り除くのに30分もかからず、それも最小限の鎮静、すなわち局所麻酔(目の周りに麻酔を注入する)または局所麻酔(眼に麻痺する滴を投与する)だけを必要とします。この白内障手術では、角膜の縁の周りに小さな外科的切開を行い、レンズを囲む膜に開口部を作ります。次のステップでは、小さな超音波プローブを開口部に挿入し、微視的なジャックハンマーとして機能する音波を使用して、曇ったレンズを小さな断片に分解します。次に、プローブ先端のアタッチメントを使用して、壊れた白内障の破片を吸引します。水晶体粒子が除去されると、一般にIOLとも呼ばれる眼内レンズインプラントが自然の水晶体嚢に埋め込まれます。眼科医はくり抜いたチューブを使用して、小さな角膜切開部からIOLを挿入します。 引用元 https://bit.ly/3uKgJKF
問題なかったのでこれからは最寄りの眼科クリニックで経過診察してもらうことになりました。二ヶ月くらい抗菌作用の眼薬など3種類を日に数回点眼します。
水晶体を取り除くのとレンズを入れるために開けた2~3ミリの切開箇所が塞がれるまでは眼薬が滲みるのかとても痛いのです。滲みて痛いというより、ギュッと眼球を圧されたような強い痛みがあります。これ、辛い。それも切開箇所が次第に閉じてくると穏やかになってきました。
補 足
このような体験は稀なようですが、あらかじめ知っていればいいことではある、と思って詳しく書きました。東京歯科大の複数の先生の話ですが「老眼もいいっしょに解消できるとか、いろんなレンズがでてきたけど、それも合わないと却って不具合なんですよ。レンズを決めるのにも色んな要素があるから、合うか合わないか、そこを大事にしないと。」そもそも、東京歯科大を選んだのはWBSの最新医療紹介でビッセン宮島先生が最新の2焦点レンズの手術例を解説されたからでした。自由診療だけどこれをお願いしたくて予約していましたが、眼球のサイズ、眼球の球面形状からこのレンズは合わない、と即断されました。そういうこともお構いなしに手術するとこもあるそうです。 あな、おそろし。しかし、自分の例のように、手術自体は完璧で模範的なものであっても、脳の対応がスムーズにいかず痛い思いをすることもあります。これは手術トラブルにはカウントされません。
他にも私とは異なるトラブルに悩まされるケースもあると思います。
ですので、あらかじめ十分な知識や、日程的にも余裕のある準備が必要だと思いました。