
この季節になって植物たちが勢いよく緑を増やしています。葉を落としていた木々は新芽を出し、そこからはみるみる葉を広げています。枯れ果ていた草たちは、「どっこい生きてるよー♪」とばかりに新たな芽を伸ばして、これ又、あれよあれよと枯れる前の形をなしてきました。
周辺の植生を観察し、Googleレンズで調べ、「へぇー」とか「ほぅー」とかひとりごちながらのほほんと過ごしています。
トップ画像は隣の空き家の敷地です。写真で見ると広そうだけど300坪ないんじゃないかなぁ。ご覧のように雑多な木々がランダムに在ります。「大きくなったときのことを考えずにどんどん植えていったのか?」あるいは、「自然のままの林を切り開いて宅地にしたのか?」いずれにしろ、その雑多さ、無法図が楽しいのです。
この柿の木にはびっくりです。伐採されたても又こうして枝を伸ばしています。
植物って観察していると色々気づくことがありますね。
このあたりの地面は大半が石ころだらけです。うちの庭も「(雑草対策に)意図して砂利を敷き詰めたのか?」と思うくらい砂利だらけです。なのに、そこに名も知れない草がはえているんですよ。どんな環境でも、ただただ可能性を見出して、その可能性を生きている。見つけた可能性を検討してその後の動きを決める。なんてことはしません。可能性を見つけたら動きます。可能性は動くことと同義です。
「駄目ならそれまで。」というのはワタシ的、いかにもな蛇足ではありますが、何かそういうシンプル故の潔さがありますよね。

思いついたときには走り出してる、って
バアサン、どっかに居てたなあぁぁぁw
この一角にはミモザアカシアとセンダン、小さなローズマリーを植えただけで放置状態でした。緑が復活したら、まるでガーデニングしたように、こんもりといい感じになってますよね。
紫の花はイモカタバミ。亜種が多いので正式名は「フシネハナカタバミ」に一本化されたそうですが、園芸上はイモカタバミ。イモカタバミのほうがその特徴がわかりやすいです。芋が連なったような根っこだから。多年草ですが、冬の間は情けない姿をしていました。見事に再起(笑)月見草もチラホラ開き始めました。
これは月見草よりずいぶん小さいアカバナユウゲショウ。漢字は赤花夕化粧。イメージに合いませんよねw
↑ 右は8cm程の小ぶりの「母子草」。
見た目はヤじゃないけど、情感たっぷりの名前がいただけない。小学校の講堂で見せられた同名タイトルの文部省推薦映画を連想してしまう。みたのは小学生ぐらいだったはずだけど、もぉー、ほんとに嫌な気分でした。家族愛とかつましい階層のひたむきに生きる姿を描いていた映画でしたよ。やるせないストーリーもさることながら、もらい涙の場面が多かったせいか講堂の空気感が嫌だったのかなぁ。
検索すると1959年制作、とあるので当時ワタシは10歳。数年遅れで見たとしても小学生だったようです。検索で見たあらすじは
血のつながらない先妻の子二人と実の子一人を、女手一つで育ててきた女性・小沢しげとその子供たちの姿を、富士山麓のとある町を舞台に描き出した人情物語
春の野につつましく咲き出づる母子草の花の様に、なさぬ仲の母と子が寄りそって懸命に貧しさと闘う社会映画

む、む、む・・・こら又しめっぽいなぁぁぁぁ。あかんわ。
社会問題を個人の情感に閉じ込めてんちゃうの!?
そういえば子供の頃、妙に情念に訴える社会映画とやらを散々見せられた記憶がありますねぇ。講堂の板の間に座らされてw 「にあんちゃん」とこんがらかっているのかな。この映画は小学校に入る前に見せられたはずですが、同じテイストで、ひっくるめてこの手のお話が嫌いでしたねぇ。
「にあんちゃん」は空前のベストセラーとなった十才の少女の日記を今村昌平監督で映画化。貧しさに負けず、明るく逞しく生きる兄弟愛を描いた感動巨篇。芸術祭参加作品。
話がズレました(>_<)
お見せしたいのは母子草ではなく、左側の花です。とっても小さい花で2,3ミリしかないんですよ。大きさの対比に母子草をうつしました。検索では「胡瓜草」と出ました。葉っぱを揉むときゅうりの香りがするとか。確かめてませんが、見ためからもマチガイなさそうです。NHK「趣味の園芸」サイトでは「人気雑草一位」ですって。可憐なので人気あるのも頷けますね。老眼者は虫眼鏡で観るか、画像を拡大してようやく細かいディテールがわかります。愛らしい。
右下が胡瓜草で、左上に一回り大きく5ミリほどの、よく似た花がいます。これはノミノツヅリ。ツヅリというのは継ぎ接ぎのある着物のことで、蚤の着物、という意味でしょうか。胡瓜草は花弁が丸く、ノミノツヅリ花弁が尖っています。
↓ いいもの見つけました。カキドオシ(連銭草)です。
シソ科なのでいい香りがします。昔、これを干したお茶を飲んでいましたよ。スースーしてスッキリした味わい。調べるとかなりの薬効があります。
民間で解熱、利尿、強壮薬として用いる(10~15g/日、3回/日)。また、小児疳症薬(5g/日、3回/日)として知られ、そのため「疳取り草」の別名がある。俗にいう疳の虫で腺病質でひきつけを起こしやすく、腹をこわしたり風邪を引きやすい子供に特に用いる。血糖降下作用はタラノキ皮よりも強く、糖尿病薬として用いる(気長く服用)
成分はリモネン、シネオール、メントン等の芳香性精油成分及び苦味質やコリンなどを含む。 引用元:奈良県薬剤師会
乾燥したものをお風呂に入れると血行促進し、リラクックス効果もあるようです。
フジもそろそろ終わっていますが、入れ替わりにニセアカシアの香りが漂います。
爽やかで、やわらかな空気です。
佳きかな。佳きかな。
「佳い」は「良い」と基本的に同じ意味ですが、「佳い」には風景や花、人などが美しい、好ましい、めでたいというニュアンスがあります。