
この銅ヤカン「コスミックケトル」はデザインがとても好きでしたが、実用品としてはアウトな代物でした。容量2Lの筈なのですが、注ごうと傾けると注ぎ口より先にフタから漏れてしまいます。注ぎ口の位置が高すぎ、且つフタの位置が低い。使えばすぐ気づくのに検討されていない。実用品制作の基本中の基本なのに。
使い始めてすぐにフタのツマミが修復不可能な状態に折れてしまったり、取っ手に巻いてある籐が切れてゆるくなったり、と不具合が続きました。
それでもスッキリしたデザインで、銅製というだけでもすぐ湧くのに、底面が広いので更に速く湧きます。せっかちにはありがたいメリットで『なんだかな』と思いつつもあれこれ工夫して愛用してきました。10年程使ったと思います。
なんだかなぁ、という思いを抱えながらの付き合いでしたが、まだ使えるので交換する気にはなりませんでした。
それが、とうとうオシャカになりました。注ぎ口の鑞(ろう)付けがだめになり、ここから水が漏れます。ロウ付けの修理はすごく高いと聞いているので、あっさり諦めて、買い替えることにしました。工夫しようがない致命的ダメージで、残念気分よりも『これで交換できるわ』とホッとしました。
ヤカンのデザインにはこだわりがあります。底面積が広く過度にアールが付いていない、持ち手が半弧で高くない、注ぎ口がデカくない(笛吹はもってのほかw)。そして軽い。できれば銅製。これは一度銅製を使うとステンレスやその他のものには戻れませんね。
銅ヤカンを検索すると、価格が随分高騰していますね。銅価格が高騰してますもんね。それに加えて、好みのデザインが見当たりません。妙にレトロな雰囲気のものが多い。銅製に特有の「叩き」あれが多いですね。
日常使うものなので新品がほしい。あれこれ迷って、探し疲れてw、デザイン的には大きく妥協して右端のものにしました。最安ショップを探し回って8,000円弱でゲット。
ところが届いたものがひどいものでしたよ。ロウ付けが汚く、新品なのに周辺が黒くなっている。
現物を眼にすると、妥協したのが悔やまれました。全体のフォルムも”打ち”もピンとこない・・・。持ち手が水平というのも使いにくい。愛着を感じる部分がない。

なんだかなぁ。コレは縁がないのかな。
逆にこんな不良品が届いたのは”これ幸い”かも。
と、すぐに返品しました。改めて、時間かけても気に入ったものを探そうと思いました。探しても見つからなければ、イマイチのお付き合いだった「コスミックケトル」にするかなぁぁぁ。と価格を調べたらナント二倍近くなっていました。最安でもポイント利用で14,000円程(>_<)
も少し探してみよう。デザイン的に妥協せざるを得ないなら、安く買うことに注力しよう。『アウトレットの古い未使用品ならいいんじゃない。』と、オークションやメルカリを探し回ると、未使用の古いものがそこそこの価格で見つかりました。
デザイン的には迷わず左の「COOKVESSEL(クックベッセル)」です。このブランドね、意外にも日本製なんです。発売当時、この斬新なデザインが騒がれましたよ。ステンレス製でフタだけが金色でおしゃれでしたよ。銅製もあったんだなぁ。調べたら現在はサーモスのブランドになってますね。
右のヤカンは底面が広くて、アールが付いていない。”打ち”もなくツルンとしたタイプ。ありそうでなかなかないんですよ、このタイプ。持ち手が直線なのがマイナスですが、立ち上がり部分のデザインはいい。ここが板状のものが大半なのですが。
迷わず左のクックベッセルをポチりたいとこですが、価格の違いが大きい。左は即決価格で、送料も含めると1万円超える。右は競らなければ、送料込みで最安2,300円で手に入りそう。この差は大きい。
しばし、悶々としていたらクックベッセルは落札されず再出品もされませんでした(>_<) で、右の”つるん”ヤカンが競りもなく2,300円で手に入りました♪
届いたものは、持ち手がイマイチではありますが、なんか可愛らしい風情でコンロにおいてみるとなじみもいいようです。
長々と書いています(>_<)
オモシロイと思ったのは縁が無いモノは居付かないんだなぁ。縁があるモノはやってくるんだなぁ。ということです。
「交換じゃなく返品する」というのがすんなり通るかななぁ、と思っていたのですが、ショップは「申し訳ありません。着払いで送ってください。」としか言わなかったのも「!」でした。たいてい、なるべく交換ですましたい、返品処理したがらないじゃないですか。なんだかんだで「縁のないヤカン」だというのが明々白々でしたねぇ。
そういえば、特定小型原付き三輪車の件もそうでした。全く私のもとに居着く様子もなくスルーでした。