納豆の注目成分「ポリアミン」は細胞を若返らせ炎症を防ぐ健康長寿効果

納豆の健康効果については研究結果は数多くあり、健康番組でも何度も取りあげられてきました。
そのなかで取りあげられいた納豆の成分は「ナットウキナーゼ」でしたが、近年注目されているのが「ポリアミン」という成分です。

 

ポリアミンとは

ポリアミンは、すべての生物の細胞の中に存在しており、全ての動物やヒトの細胞内で合成されます。
細胞分裂を助け、細胞の状態を正常に保つ働きを持つ重要な物質です。
人間の細胞にも生まれた時から存在し、その後も細胞内でアミノ酸の一種であるアルギニンから合成されます。

1678年の発見以降、いろんな研究で「この物質がないと細胞は増殖できず生物は成長できない」ということがわかっていました。
成長に大きく関係していますから、成長期には活発に合成されますが、年をとるとポリアミンを合成する酵素の活性が低下します。
ポリアミンをつくる能力が衰えることが老化の始まりではないか、と考えている研究者もいます。

 

老化とポリアミン

ポリアミンは300年以上も前に発見されていますが、一般にも知られる様になったのは、マウスを使った実験で老化を止める働きがある、とわかってからのようです。
さらに最近、健康長寿者はポリアミンを多く持っている事もわかり、「ポリアミンと老化の関係」に注目が集まっています。

2017年春にアメリカの学術誌『キャンサーリサーチ』に掲載されたテキサスA&M大学の研究チームの論文によると、老化を抑制させる働きを担っている物質があることがわかりました。

 

論文で注目された骨子
研究チームが健康長寿の方を調べたら「スペルミジン」(ポリアミン)という物質が多いことがわかりました。
実験用マウスの飲み水にスペルミジン(ポリアミン)を添加して、常時摂取させたところ、約25%も寿命が延びました。中年期にあたるマウスに投与しても、同様の効果がみられることを示し、老齢期のマウスでは心機能が改善されることも確認されています。

これは人間に換算すると、80歳まで生きていた人の寿命が、100歳に延びるということです。

 

スペルミジンとポリアミン

テキサスA&M大学の研究チームの論文にある「スペルミジン」(ポリアミン)という表記が、イマイチわからないので調べました。

学術的には「分子中にアミンを複数含む、低分子の塩基性物質」を総称してポリアミンと言います。
ポリアミンにはおもに次の3種類があります。

  •  2個のアミンを含む「プトレッシン」
  •  3個のアミンを含む「スペルミジン」
  •  4個のアミンを含む「スペルミン」

 生体内で プトレッシン → スペルミジン → スペルミン の順に合成され、また逆の経路で分解されます。
一方、活性の強さはこの逆で スペルミン <スペルミジン <プトレッシン の順番になります。

アミンの数が多い方が活性が強いんだよね。

 

要するに、スペルミジンはポリアミンのひとつ、ちゅうことやな。

 

ポリアミンを含む食品

納豆とポリアミンについて書かれた本に「ポリアミンを含む食品」がでているので、アバウトですがグラフにしました。

ポリアミン含有比較のグラフ

椎茸は生だと思いますが、ポリアミンを多く含んでいますね。
これでわかるのは発酵するとポリアチンが増えることです。
大豆より納豆やテンペが多く、特に牛乳とチーズの違いをみると「発酵」つまり微生物の働きが大きいことがわかります。

ポリアミンは継続して摂取することが望ましいのですが、その点「納豆」は価格も安く、レシピもあれこれ工夫できて飽きない食べものですから、まさに健康長寿食といえますね。

 

東京都健康安全研究センターの発表によると
同じ納豆でも普通の納豆は1gにつきスペルミジンが56.1マイクログラム
ひきわり納豆は75.2マイクログラムマイクログラム含まれています。
ひきわり納豆のほうが発酵する表面積が広いため、スペルミジンが多く含まれるのです。

 

ポリアミンの効果

ネット検索すると数多くのポリアミンの研究論文があり、次のような作用がわかっています。
まさに成長にかかわり、アンチエイジングな作用ですね。

 

研究論文で取りあげられたポリアミンの作用
  1. 抗炎症作用
  2. 皮膚老化抑制作用
  3. 発毛促進作用
  4. 動脈硬化抑制作用
  5. 向妊娠作用
  6. 爪形成促進作用
  7. コラーゲン産生促進
  8. 体内時計のずれを修正する

 

納豆とポリアミン、参考書籍

私はポリアミンについてこの本で知りました。
納豆一日一パックの若返り術 早田 邦康著
タイトルから予想した内容とはいささか異なり、健康食品の効果について医学的にまちがいをただすことにかなりのページ数が割かれています。
著者の早田先生の考えは
  1. 老化は炎症によるもので、炎症を抑えることが老化を伸ばす。
  2. 「抗酸化作用が動脈硬化などの生活習慣病や老化そのものを抑制する」ことには疑問がある。
  3. 抗酸化物質ではなくポリアミンがアンチエイジングのカギになる。


というものです。

 

早田邦康先生の講演資料 PDFファイル(全国納豆協同組合連合会サイト)

全国納豆協同組合連合会のサイト内に、20年3月に行われた早田先生の「アンチエイジング物質・「ポリアミン」の新機能研究~記者発表~と題する講演のPDFファイルを見つけました。
印刷してじっくり勉強しましょう(^_^)

▶ ▶ ▶ 5分でわかるポリアミン~見えてきた本当のアンチエイジング 
       納豆に含まれるポリアミンが老化と動脈硬化を防止する  
       早田邦康先生(自治医科大学附属さいたま医療センター循環器病臨床医学研究所所⻑教授)

 

結論:納豆食べるべし

なんといっても、安くて手軽に食べられるのですから、納豆を食べないてはありません。
嫌いな人も好きになりましょう(笑)
無理ならメイトーの「LKM512菌」です!せっせと作りましょう。
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