
昨日のニュースによると、米国時間の3月20日はトランプ大統領の息子、バロン・トランプさんの誕生日だそうですね。占星術でいう宇宙元旦です。彼の名前にまつわる面白い話をご紹介します。
1893年に出版されたインガーソル・ロックウッド(1841-1918)の児童文学シリーズで次の三作からなっいます。*翻訳違いで異なるタイトルもあります。
『バロン・トランプの北極圏ロシアへの旅立ち』
『バロン・トランプの驚異の地下旅行』
『1900、あるいは最後の大統領』
始めの二作にバロンという名の少年が登場します。上画像を見ると、表紙のイラストとバロン君が同じくらいの年齢の時の写真、似てますよね。
シリーズ完結編の作品にはトランプ大統領を思わせる記述があり、トランプ氏がまだ大統領になる前に話題になりました。
話題になったのは120年以上昔に書かれたこのシリーズが、現代の状況を見てきたかのように書かれているからなのですが、そこから派生して"トランプ大統領がタイムトラベラーで、過去に行ってこの小説を書かせた”という説がSNSで話題になったようです。つい10日くらい前にニューヨーク・ポストがこの小説を取り上げて「トランプ大統領はタイムトラベラー!?」なる陳腐な記事を出していたようです。Xで見かけました。
しかし、ワタシ的には、タイムトラベルは逆方向で、著者のインガーソル・ロックウッドが現代にやってきて、見聞きしたことを書いたのではないか、と思うのですよ。その方が自然じゃないですか。トランプさんが過去に行って小説を書かせる意味がないもの。
ともあれ、どんな内容か知りたいですよね。ざっとご紹介します。
『バロン・トランプの不思議な地底冒険』あらすじ
時は19世紀。北ドイツのトランプ城に住む、溢れんばかりの好奇心を持った少年バロン・トランプは、代々伝わる古い羊皮紙を手に取ります。そこには、地底の奥深くに広がる未知の世界への入り口が記されていました。
彼は忠実な愛犬「バル」を連れ、ロシアのウラルへと旅立ちます。極寒の地で見つけた「世界の穴」を降りていくと、そこには太陽の光が届かない、しかし独自の文明を築いた不思議な国々が広がっていました。
バロンが訪れるのは、我々の常識が通用しない奇妙な人々が住む国々です。
「透明人間の国」では姿が見えない住民たちと交流しました。
「逆さまの国」では価値観や行動が地上の人間とは正反対の世界でした。
彼は、その機転と少しばかりの傲慢さ、そして何より愛犬バルの助けを借りて、数々の危機を乗り越えていきます。又、ドンという名の賢者がバロン少年を導いてくれました。
巨大な怪物や不可思議な自然現象に遭遇しながらも、バロンは地底世界の哲学的、あるいは科学的な謎に触れ、冒険者としての経験を積んでいくのです。
いくつもの地底国家を渡り歩き、驚異の光景を目の当たりにしたバロンですが、やがて地上の我が家、トランプ城への帰還を望むようになります。彼は知恵を絞って再び地上へと戻り、この世のものとは思えない冒険の記憶を胸に、静かな生活へと戻っていくのでした。
この本が話題になったのは、次のような「奇妙な一致」があったからです。
- 主人公の名前が「バロン・トランプ」
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作中でバロンを導く賢者の名が「ドン(Don)」*ドナルド
120年前に書かれた児童文学としては、あまりに象徴的な符号が多いため、偶然の一致では収まらないと話題になったわけです。更に興味深いのが、3年後に出版されたシリーズ完結編の「1900年、あるいは最後の大統領」です。
『1900年、あるいは最後の大統領』あらすじ
ニューヨーク五番街に住んでいた裕福な男が大統領選に立候補します。
ポピュリストのアウトサイダーなのでまったく不人気で、勝ち目のない戦いであったにも関わらず、大方の予想を覆して大統領に選出されます。
1897年3月4日、大統領は国内改革を掲げ、議会を召集しますが、銀と金のバランスが崩れ、混乱が広がります。1899年にはワシントン共和国が不安定な状況に直面し、北部は南部の台頭を恐れ、独立を考えます。議会は重要法案を可決し、共和制の終焉が迫る中で歴史的な瞬間が訪れ、アメリカ共和国の崩壊という現実に立ち向かわなければなりません。
どうですかw 組閣名簿にペンスという人物も登場します。下線部分は個人的箇所なのでw。
更に詳しく知りたい方は「大文庫」というサイトに全文があります。下の画像のようになっていますから、項目部分クリックすると全文が開きます。
大変なボリュームでなかなか読み通せないのですが、第三話「銀の使徒たちの行進」というとこだけ走り読みした限りでは、通貨政策のことが結構詳しく書かれていますよ。何のことかわからない単語もあって、書かれた当時にはなかった概念ではないか、と思われます。

「講釈師、見てきたような嘘を言い」みたいやな。
何や、エライ、具体的なこと書いてる気ぃするなあ。
ワタシ的な興味はこれはタイムトラベルという技術が既にあった、ということの示唆だと思うんですよ。突拍子もないと思われるでしょうが、このインガーソル・ロックウッドという人物を調べると、なかなかに胡散臭いw 何より強烈なのがニコラ・テスラと同時代の人なのです。ニコラ・テスラ、ジョン・トランプ(トランプのおじさん)とつながる人なのです。この関係については以前記事にしました。
インガーソル・ロックウッドは当時のアメリカのエリート層に属する、非常に興味深い経歴の持ち主でした。ニューヨークの高名な法律家一家に生まれ、最初のキャリアは「外交官」でした。
1862年、アブラハム・リンカーン大統領によって、ハノーファー王国(現在のドイツの一部)の領事に当時の最年少で大抜擢されています。帰国後は法律家と作家を兼業し、晩年は隠遁生活をして哲学的な思索に耽っていたそうです。
ということで、続けて「インガーソル・ロックウッドとタイムトラベル」について書きたいのですが、今回の記事をバロン君の誕生日というタイミングに合わせたいので、一旦、ここまでにしてアップします。











