鶏肉の生食はカンピロバクター食中毒の危険|予防は表面を加熱する

鶏ムネ肉について書いているタイミングで、カンピロバクター菌による食中毒が増えているというニュースを目にしました。

カンピロバクター菌とは?

カンピロバクター菌は、野鳥、ニワトリ、ウシ、ブタ、そしてペットの犬や猫など、多くの動物が体の中に持っていて身近な菌です。

カンピロバクターによる食中毒は4~8月に多く、年間の患者数は2~3000人です。
原因で特に多いのが鶏肉による食中毒です。

2011年のユッケ食中毒事件で、「牛・豚肉の生は危ない」という認識が拡がりましたが、鶏肉に関してはあまり知られていないのも原因、といわれています。
*各市町村では、「鶏肉の生食注意喚起」のパンフレットを用意したり、ホームページに掲載しています。

 

■ 大半の鶏肉はカンピロバクター菌に汚染されている

これまで行われた多くの調査では、市販されている鶏肉の約20~50%以上がカンピロバクター菌に汚染されていたという結果が示されています。
ここまでの数字ですから、鶏の生肉はその多くが汚染されている、と考えるべきですね。

 

■ カンピロバクター菌の対策

カンピロバクター菌は、基本的に肉の表面についているので、表面をしっかり加熱すれば死滅します。
注意すべきなのが、肉団子などのミンチになったものです。
肉表面部分も中に練り込まれている状態ですから。
「つくね」や「肉団子」は中心までしっかりと火が通さなくてはいけませんね。
又、カンピロバクター菌は低温に強いので、冷蔵庫の過信も危険です。

カンピロバクター食中毒防止のため、鶏肉は中心部まで十分に加熱(75℃で1分間)しましょう。

カンピロバクター食中毒防止のため、鶏肉は中心部まで十分に加熱
(75℃で1分間)しましょう。

 

カンピロバクター食中毒のウンチク
【潜伏期間】
通常8~48時間、平均12時間程度だが、1~7日と長い場合もある。

【主症状】
下痢、腹痛、発熱、嘔吐、頭痛、倦怠感

感染して数週間後に「ギラン・バレー症候群(※)」を発症することもある。
 (※)ギラン・バレー症候群:手足の麻痺、顔面神経麻痺、呼吸困難等を起こし、障害が残ることもある。

【予防方法】
(1)加熱不十分な食肉(特に鶏肉)の喫食を避け、十分加熱する。
(2)食肉と調理済み食品は別々に扱う。
(3)調理器具を熱湯消毒し、乾燥させて2次汚染を防ぐ。
(4)食肉を取り扱った後は十分に手洗いを行う。
(5)井戸水の消毒を的確に行う。

 

 

《おまけ》
疲労回復に効くイミダゾールジペプチド含有の高いトリのムネ肉を柔らかくジューシーにする方法を書いています。

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