寒いからでしょう、身体が固まってます。身体中の可動域が半分以下になってる感じ。こうなると単純な運動も億劫になります。
こういう時に丁度いいのがスワイショウです。気功の基本とされていますが、気功をやる前に行う体ほぐしです。
わたしは30代に少し*内気功をかじりました。日本に初めて気功を紹介された故・南博先生の内気功教室に通っていたことがあります。先生が体調を壊されて閉鎖されるまでの短い期間でしたが、本物の気功師に学んだのは良い経験でした。
個体の中の気の巡りを整え活性化することを内気功
外の気を取り入れて活性化する方法を外気功と言うんだ。
内気功はごくシンプルな動きだから静功
外気功は動きを伴うから動功、といった呼び方もあるよ。
病気を治すのが目的だったんだよ。
高貴な人の病気を治療するにも触れないからね
・古代の医術である「医科気功」
・道教では気を極めることで天人合一を目指した「道家気功」
・儒教、仏教で発展した「儒家気功」「仏家気功」
・武術に取り入れた「武家気功」
などがあって、それぞれがさらに細かく別れて、まさに百家争鳴状態だね。
当時は中国では海外に出られる人が制限されており、日本にくる中国人も少なかった。気功は資格とかないので、単に中国人というだけで〇〇気功と自分をブランディングするインチキが横行してました。(無論、教えてもらう側はまるで見抜けません。わたしが教えてもらったホンモノ先生が憤ってました。)
その流れが今でも続いているのか、記事にする前におさらいのつもりで検索したけど、まぁ、あれこれ尾ひれや勝手なウンチクをくっつけたものが多くてシンプルな基本をレクチャーしているものを見つけるのに時間がかかりました。上の動画は動きも的確に説明されていて深いとこも話してあるのでおすすめです。
スワイショウの「スワイ」 は、「放り捨てる」または「投げる」という意味で、「ショウ」は「手」です。
スワイショウの動きは、上の動画を見ていただけばわかると思います。スワイショウの最もシンプルなものは二通りあり、「腕だけを前後に振る(タテ)」「(体をひねって)腕がヨコに振れる」です。検索して初めて知りましたがw タテスワイショウ、ヨコスワイショウと呼んで区別しているらしい。区別するのに便利な分け方ではあります。
この動画では、タテのスワイショウで肘を曲げているようですが、肘は動かさない。(おそらくはずみで肘が振れているんだと思われます。)
検索してなかなか深い解説を見つけました。動画ではなく、「達人に聞け」という中日新聞のコンテンツの中にあった和気慎一郎さんという方の「気とは何か、気功とはなにか」についてのコラム(対話形式)です。すでに連載は終了していますが、過去の記事が読めます。どれも内容が深くて素晴らしいですが、その中の「スワイショウ」に関する記事から要点をご紹介します。引用元は ▶心を静めるスワイショウ
ここでは「身体の動かし方」ではなく、「動かしているときの気持ちの置き方」の解説になっています。
両手を前後にゆらすスワイショウ
- スワイショウをしながら、胸板の左右の筋肉(大胸筋)や皮膚の動きを体感しましょう。その動きを体感し、何となく温かくなってきたら
- 次に、肩関節(腕の付け根)の動き(ゆれ)を体感します。肩の中も温かくなってきたら
- 続いて、背骨の左右の筋肉と肩甲骨の動きも体感しましょう。背中側も何となく温かくなってきたら
- 更に、胸の中に気持ちを向けて、胸の中の「ジワーッとゆるんでくる感覚」を体感します。
- 最後は、完全に肩の力を抜き、ゆっくり腕の揺れが終わるのを待ち、全身の皮膚や体内に出てくる感覚を体感し、それに没頭してみましょう。
◆ 体感の心地良さにしばらく没頭してから、両手をこすったり足踏みをしたりして、体を元に戻して終わります。
わたしは、「上から順番に動いている部位、ン!?な部位に気持ちを向ける。」と、いう感じでやっています。その時々で気持ちを向ける部位が違うけど、気持ちのおもむくままにやってます。
気持ちを向けると上に書かれているように、そこが温かくなっているとか、ゆるんできた、などと気が付きますし、丹田は動いていないのに最も活発(?)に活動しているな、などと気が付きます。姿勢を維持するために自ずと丹田に力が集中されてここでの気の活動が盛んになるのでしょう。
温まったかな、とか、ゆるんでいるかな、とチェックするんじゃないんですね。
見てるだけ。
「寝る前に運動をすると、興奮してかえってよく眠れない」などと解説されたりしますが、スワイショウは違いますね。寝る前にやると、とても良く眠れます。これ、マインドフルネスなんですよ。