
「酸蝕歯」と「歯を溶かす食べもの」について調べると、「梅や酢の物はアルカリ性食品だから歯を溶かさない」という記述がかなりありました。
「梅はアルカリ性だから歯を溶かすことはない。」とまで書いてあるサイトもありましたよ。

食べたとき酸っぱいのだから、それは酸性で
歯を溶かすんじゃないの!?
ここはひとつ、ビシッと正解を見つけなくては! とさがした結果、これぞ名回答というものが見つかりました。
こちらのサイトで歯医者さんが答えています。⇒歯のお悩み相談室

*複数の歯科医の回答がありますが、最もわかりやすい先生の回答を引用します。
まったくの誤解です。
虫歯は食物中の糖分を虫歯菌が分解し酸性の物質を作り出し、歯を溶かすことで発生します。酸性は歯の大敵です。
虫歯になりにくい人は唾液がアルカリ性に傾いている傾向があり、虫歯の発生を抑制します。これに対し、酸性食品、アルカリ性食品は唾液ではなく、血中の酸性、アルカリ性への影響に対するものです。肉類は血液を酸性に傾かせるのに対し、野菜、果物はアルカリ性にしてくれるアルカリ性の食べ物です。
しかし、果物は口の中に入るときは酸性です。
酸性の強い果物を食べるのは虫歯を促進する要因になります。とは言っても果物を虫歯予防のために控えるのは、それこそ血液をアルカリ性に保つために有害でしょう。
虫歯は食後のていねいな歯磨きにより、食べ物の酸性、アルカリ性にかかわらず防止できます。 マナミ歯科クリニック 馬場真菜美院長
なるほど!これでスッキリ。
要するに、世間で「梅はアルカリ性だから健康に良い。」と言われているのは、血液のpHのことなんですね。
ということは食べたものがなんであれ、口に残っていれば、虫歯菌がそれをエサにして分解する。すると酸が出る。この酸が歯を溶かす。
と言うことですねぇ。
解りやすく図にしました。
「食べものの残り」がアルカリ性・酸性に関係なく、虫歯菌はこれをエサにして分解して酸を出すんですね。
食べかすを残さない対策として「食べたらすぐ歯磨きする」と考えてしまいますが、現実的ではないですね。食べてすぐ歯磨きなんて。
ウカウカしている間に、すでに虫歯菌が酸をつくっていたら、もっとも歯が柔らかくなっているタイミングでゴシゴシ削ることになりますよぉ~!
※ 虫歯菌の出した酸で歯がやわらかくなることを脱灰と言います。この記事に書いています。
以上の知恵がついて私的にまとめた「酸蝕歯」対策です。
- 食べたらすぐに水、お茶を飲んで、食べたものの残りを飲み込んでしまう。
- 行儀は悪いけど、その時ブクブクと激しくゆすいで水の勢いで、歯の間に挟まった食べかすをかきだす。
- 次ぎに唾液を出して唾液ダムを作る。
- 唾液を出すために歯科医専用のガムを噛む。
唾液を出すのにはガムが一番ですね。しつこいですが(^^ゞ ちなみに以下の注意もありましたよ~。

唾液は飲み込んだら意味ないですよ~。しばらく口にとどめましょう。
歯科医院用のガムは、どれがいいか?ではなく、特長が異なるのでどちらもおすすめです。
歯に良い清掃性食品
検索していると、「歯に良い食べもの」の判断基準に「歯にくっつきやすいかどうか」で判断するという考え方があることもわかりました。
例えば、キャラメル、チョコレートなどはNGです。
又少々滑稽な表現ですが「清掃性食品」という考え方もありました。
直接清掃性食品
繊維の多い食品(にんじん、ごぼう、レタス、セロリなど)のように、噛むと歯や粘膜の表面が清掃され、唾液の分泌促進になる食べもの。
間接清掃性食品
梅のように、唾液が出やすい食品のことで、唾液が多くなることで食べかすが残りりにくい。口内の酸性化も抑える。
という説明になっています。
いずれも口の中に唾液が増えることに注目していますね。
唾液は口の中の掃除に必須なんですね。