日照不足でじわりじわりと野菜果物が高騰していますね。なかでも夏野菜の主役、茄子の価格が・・・。そうなって初めて有難みを感じているのですが、あらためて茄子の栄養を調べました。
茄子の栄養
茄子紺という色の名前にもなっている、茄子の皮色。ツヤツヤして深い色合いがすばらいしですね。あの色素成分がナスニンというアントシアニン(ポリフェノールの一種)です。
ナスニン
一般的にアントシアニンは熱に弱い、とされていますが、ナスニンは加熱にも強く、水に溶けやすいので生でも吸収されやすいのが魅力です。
また、ナスニンの抗酸化力はポリフェノールのなかでもかなり強力だとわかりました。
高知県工業技術センターの森山洋憲さんによると
ナスニンが最も強かった。
茄子のレシピは和洋中、生食・加熱と非常に多いですが、どんな食べ方でもナスニンを摂ることができます。
焼き茄子で皮を捨てるのも勿体ないんだ。
ナスニンの効果
- 眼の疲労回復
アントシアニンは光による眼のダメージ回復に効果があります。ブルーベリーがよく知られていますが、ナスニンも同じ効果があるんですね。 - 脂質分解作用
アントシアニン類は糖や脂質の代謝を高める酵素AMPキナーゼの働きを活性化してエネルギー消費を促す。 - 抗酸化作用
最後になってしまいましたが、これが最も強力ですね。
抗酸化作用で得られる効果があります。抗老化、成人病対策に有効です。
クロロゲン酸
(茄子に限らず)クロロゲン酸はアクです。渋みの成分です。
切ったまま放置すると茶色に変色する野菜がありますが、あの変色がクロロゲン酸です。
クロロゲン酸を多く服も食品はコーヒーです。ちなみに血圧高め、メタボの人を対象の機能性飲み物「ヘルシア」の主成分がクロロゲン酸です。
渋みが多いナス、米なすや緑の茄子はアク抜きせずに炒め料理で摂るのが賢いですね。
油で調理するとクロロゲン酸は油に溶け出して、苦いとか渋いというアクの味が消えます。
クロロゲン酸の効果
- 脂質分解を速める作用
- 血液をサラサラにする作用
- 副交感神経を刺激して気分を落ち着かせる作用がある
オスモチン
耳慣れないですが、これもナスのファイトケミカルのひとつです。
ナス以外にもジャガイモ、トウモロコシ、ピーマンやトマトに含まれています。
オスモチンの働き・効果
オスモチンはアディポネクチンと似た構造をしており、体内でアディポネクチンに似た働きをすることがわかりました。
インスリン感受性の亢進や動脈硬化の抑制、抗炎症などの働きがあるからメタボ対策にいいんだよ。
体内で作られるアディポネクチンは内臓脂肪が増えると分泌量が減ることがわかっています。アディポネクチンが減ると脂肪が燃焼しにくくなり、更に内臓脂肪が増えるという悪循環になります。そこでアディポネクチンを補うのがオスモチンです。
マウスを使った研究により、オスモチンの働きはアディポネクチンの100倍の効果があったそうです。
マウス実験の結果、オスモチンには、脳神経の炎症や変性を抑える作用があることが確認されています。脳神経細胞を活性化し脳機能を強化する効果もあります。
なにやらすごいオスモチンですが、多く含むのはナスよりもトマト、って感じですよ。
ナスの栄養を無駄なく摂れる食べ方
ナスニン・クロロゲン酸・オスモチンなどのファイトケミカルは堅い細胞壁のなかにあるので、すり下ろしたり、加熱して食べるのがいいようです。
ナスは煮てヨシ♪ 焼いてヨシ♪ で、和洋中、アジアン、どんな食べ方でも美味しいですよね。
最近の私のレシピは、「茄子の甘辛炒め煮」を素麺にかけて食べてます。
こちらは普通に麺つゆにつけた素麺の上に、ごま油で炒め、みりんと醤油で甘辛く味付けた茄子をのせました。
夏野菜は身体を冷やす
ナスに限らず、夏が旬の野菜は身体を冷やすものがほとんどです。
「秋茄子は嫁に食わすな」
というのは、「涼しくなってから身体を冷やすから体に良くないよ。」という嫁さんを労っているんですよね。