
たまにご当地銘菓が食べたくなります。鹿児島育ちのワタシにとってのソウルフードはお菓子屋さんで買えない「両棒餅」です。両棒餅とかいてジャンボとよみます。”両”の中国読み”りゃん”が転じてこうなった、と聞いてます。
改めて調べたら諸説あるようですが、次のような解説がありました。
「じゃんぼ餅」の名の由来は諸説存在する。昔、上級武士は刀を腰に2本さしており、その姿に似ていることから、この名がついたといわれている。
また“両棒”を“じゃんぼ”と読むのは、中国語からきているといわれており、中国語で“両”は“リャン”と発音し、これが鹿児島県で“じゃん”と訛って「じゃんぼ餅」と呼ばれたのではないかともいわれている。
「ケンミンショー」でも数回取り上げられたようですが、私の記憶では鹿児島県内でも鹿児島市しかないと思います。それも、島津藩別邸がある磯浜に数店舗あるだけで、和菓子屋さんなどでは買えないお菓子でした。今はどうなのか知りませんが。できたてを食べるものだから、でしょうか。時間が経つと固くなりますからね。
これがもっとも有名な平田屋さん。(勝手にhpから拝借しました。)
畳の部屋で、桜島を眺めながらジャンボ餅を食べます。冬にはコタツがあったと記憶しています。
両棒餅を知らない方に簡単に説明すると、つきたての餅を丸め平たくして両面に焼き目をつけます。(直径4cm、厚み1cm弱)これに平たい竹串を二本刺します。この焼き目が重要です。香ばしさが付きます。餅はつきたてなので焼くのは火を通す目的ではなく、焦がして香ばしくするのが目的です。竹串も竹の香りを楽しめるように断面が広い平らな形状です。これを秘伝の緩めのタレに絡めて出来上がりです。
秘伝のタレは味噌味です。私が食べていた頃は味噌味しかなかったのですが、昨今は醤油ダレという邪道が定着しているようです。味噌ダレの味噌は麦味噌です。(九州はほぼ麦味噌です。)画像のようにクタぁーっ、と柔らかいんですよ。
詳しいことは下画像を拝借したサイトにあります。鹿児島市観光ナビ
ワタシ的に両棒餅の必要十分条件は
●つきたての柔らかい餅
●香ばしい焦げ
●緩めの甘い味噌ダレ(「甘い」であって、甘辛いではない!)
これを食べたくて、出来合いのもちを使って何度かやっていたのですが、「つきたてのように柔らかくて焦げ目がついている」状態がなかなか難しい。
ただ焼いたのでは餅自体が固くなる。少し水をつけた餅をレンチンすると、やわらかさは満足できるものの、香ばしさがない。
そこで、思い立って、火が通りやすいように小さくしたものを焦げない鍋でやってみましたよ。火が通ると鍋にくっついてしまうのですが、片栗粉をまぶしておくといいらしいです。
火が通った頃合いを見て、作ったタレをジャッと入れます。すぐにとろみが付きます。
タレを作ったカップに入れちゃいました。洗う手間を省くw
これ、大成功でしたね。\(^o^)/
味噌ダレは 白っぽい味噌(麦味噌じゃなく)、きび砂糖、水 だけ。
ケンミンショーで見て、食べたくなったから作ってみた、とう再現レシピがありますが、食べたことがない人にはいまいち肝心なとこが足りないようです。そんな中、これならいいわ、というのが見つかりました。鹿児島の管理栄養士さんの作ったレシピ。
▶アスレシピ 両棒餅
要点をキャプチャーしました。親切に醤油ダレと味噌ダレを用意してあります。このやり方だと柔らかくて焦げ目のある餅が作れますね。まぁ、棒はいらないんですけどね。
補 足
先日テレビの旅番組で磯庭園内の「両棒もち」が紹介されました。自分で焼き目をつけて三種類のタレにつけて食べる、というものになっていました。これにはげんなり。焦げ目を付けたあと熱いタレにからめて、少々焦げ目がとろん、としたタイミングが一番うまいのになぁ。