久々にスッキリ痛快な動画をみました。You Tubeでたまたま「新時代における世界経済と株式市場展望」と題された講演(2020年10月10日(土)開催【資産形成フェスタ2020】)の動画を見ました。これがめっちゃ面白かった。
武者陵司氏の肩書はエコノミストでよいのかな、以前はドイツ証券のストラテジストで、どんな局面でも強気(楽観)の上昇予測で名を馳せた方です。当然長期下落の数年間はメディアには「万年楽観論者」と半ば馬鹿にされイジられてました(>_<)
私はコロナのもたらす変化について興味を持ち続けており、NHKの特集番組では世界的知性があれこれ分析してるのを見ました。その中ではマルクス・ガブリエルが興味深かったけど、なんたって哲学者。観念的に過ぎ、面白いけど現実的にはどういうことになるの!?とスッキリしない。やはり哲学には何も出来ないな、と結論。ユヴァル・ノア・ハラリに至ってはどないもこないもアカンヤァン!完全に論理崩壊なのにメディアがもてはやすのは情けない。
それに比べるとさすがエコノミストの目線は現実から遊離しない。実に明快です。しかもこれまで触れたことのない面白い視点がありました。
武者氏講演の概要は次のような項目です。
ワタシ的に面白かったのは
(3)コロナパンデミックの歴史的意義→3つの趨勢
というテーマです。
※この記事ではここだけご紹介します。全編見たい方は文末にURL記載します。
コロナは歴史の流れを加速する。という指摘は誰しもわかることですが、武者氏は「これまで流れを止めていた障害が取り除かれることによって一気に加速する。」と指摘しています。
新たに流れができるのではなく、すでにその流れはあり、遅かれ早かれ世界はその方向に向かっていた。つまり自然な流れがすであり、それが加速されるだけで流れに歪みは生じないのです。
どんな流れが何によって滞っていたのか、という視点から解説されるので非常にわかりやすくなっています。発展を障害していたことを解説されると、それらがなくなるとどうなるかは武者氏の弁を待たずとも予測できます。現実分析→未来予測という話の展開が明晰です。
青文字がこれまで障害となって発展を押し留めていたことで、上に書かれていることが武者氏の予想するウィズコロナ・アフターコロナの世界です。
①の社会のあらゆる場所でのIT化、ネット化が進む。
これについては誰しも感じていることで、特に取り上げることもありませんが、②と③は面白い。
特に②については他では見られない指摘であり、私が感じていたことにかぶり、スッキリしたのです。
これってMMTそのものじゃないの!?
MMT論者はこのことをどこかでなにか語っているのか知らん。
とんと目にしないけど。※文末に補足あり
コロナが間違った経済思想を一掃する。
と武者氏は断じているんですよ。痛快。
「貯蓄は美徳、借金は間違い」というのが間違いのもと。と。(笑)
家計はともかく、お札製造機をもっている政府が家計と同じ経済観念で政策を作っていたことが一掃されると。
要はこれMMT理論なんですよ。武者氏がMMT論者とは知らなかったですが。
MMTとは現代貨幣理論のことで、私も難しいことは理解できないのでそこまでは突っ込んでませんが、理解できた最小限のことを記事にしています。
コロナ禍は逃げ場所もなく世界中に分け隔てなく押し寄せて、そのスピードが早いから、自分の国だけでもなんとか影響から逃れる方策、将来への影響を少しでも少なくする選択、などと考える時間もありません。四の五の言ってられない。財政赤字とか収支バランスなどはこの際かまってられない。野党すら沈黙。
コロナがこういう逼迫した状況をもたらしたからこそ、これまでの経済理論を一蹴できる。
これは災禍ではなくチャンスだ。
と、あくまで楽天的な武者氏は語ります。もう一つの面白い指摘。
これまでは収支バランスをとることが中央銀行の柱となる指標だったが、これからは株価が取って替わると。つまり「株本位制」に移行する。
※これはいささか自分の勝手な解釈かもしれないので^^; 興味ある方は動画で確認してください。
ちなみに、講演の冒頭で「投資成果をあげるのに必要なのは楽観論に徹する。人類社会は良くなるという確信が必要です。」と話されたのにはびっくりしましたね。投資家向けの講演でこんな事を言う人は居ないでしょうw
改めて「MMT コロナ」で検索したら結構あります。東洋経済サイトに中野剛志氏(MMT解説の権威?)の記事がありました。
東洋経済サイト内 新型コロナが引き起こす「MMTブーム」の第2波
講談社 「現金をどんどん配れ!」異端の経済理論・MMTがコロナ不況を救う…
ロイター 「疑似MMT」実践する主要国、問われる長期リスク管理能力
https://youtu.be/1bkkkvYjtQY