古来「フクロウは縁起が良い」とされる理由と御利益とは

この木彫りの梟(フクロウ)さん、ジモティで知り合った方の手作りです。高さが7㎝くらい。部屋で撮るより外の方が面白いと思って、庭の桜の木に乗っけました。
眼の部分がコロリと外れる仕掛けになっています。

おたずねしそびれて、オリジナルなのか?それともこういう仕掛けの木彫りの定番でもあるのか? はっきりしません。「木彫り フクロウ」で画像検索しましたが同じものは見つかりませんでした。

「ここの眼のとこを作るのが、結構むずかしいのよ。「芽が出る」だからね。これがミソなんだよね。」 なかなか凝ってますよ。目玉はガラス玉だそうです。

ふぅ~ん、フクロウって縁起物なのかぁ。
招き猫より強力なの!? 

検索するとフクロウはなかなかの縁起物だとわかりました。
フクロウって日本だけでなく、世界中で縁起が良いとされているんですね。年末年始の話題に丁度良いので縁起物の理由をざっとまとめておきましょう。

 

フクロウは縁起が良いとされる理由

意外ですが、日本では古くはフクロウは縁起が良くないとされていたそうです。それが縁起が良い、となったのは西洋のフクロウ観に影響されたからのようです。

鳥天さんのコメントで思い出しました。日本では嫌われていたフクロウですが、アイヌ語ではコタンコロカムイ(=村を守る神)といい、夜になると起きて村を見守ってくれる守り神とされてきたそうです。

西洋でフクロウが「知恵のシンボル」とされた原点は神話

「ハリー・ポッター」でもフクロウは知恵者としての存在感を示していますが、フクロウは西洋では「知」に関連した縁起の良い動物とみなされてきました。
その起源は神話に登場しているからです。エジプト神話、ギリシャ神話、ローマ神話の中に登場しています。

ギリシャ神話

ギリシャ神話ではフクロウはアテナ女神のお供をしていたとされています。
アテナ女神は知恵や戦略を司り、アテナ女神の加護を得ると勝負ことに強くなり、頭が良くなるとか。その女神に使えていたフクロウも同一視されてきたようです。
紀元前500年頃の硬貨のデザインは表がアテナ神で裏がフクロウです。

ローマ神話

ローマ神話でもフクロウは女神に使えていたとされています。
ミネルヴァという女神が詩や医学などの知恵を司るとされています。
'ミネルヴァ' は結構知られていますよね。ミネルヴァという名前の会社とかブランドとかよくありますね。

ギリシャ神話、ローマ神話はそもそもの源流はエジプト文明なので、それぞれ多少ニュアンスは違いますが、エジプト神話のトート神がフクロウのイメージの基になっているようですね。トート神はフクロウではなく、トキとヒヒの姿をしていたとされていますが。
この神は知らないことがない物知りで、勉強熱心だったとされ、世界史の記録の守護神でもありました。

出典 Wikipedia

 

 

神話のイメージのもととなったフクロウの生態

このような神話にみられるフクロウのイメージはどこから来たかというと、それはフクロウの生態からです。

枝に止まったフクロウの写真

段違いの情報収集力

大きな目はカメラのレンズと同じで大きいので光を集めやすい。それで夜目もきき、暗くても小さな獲物を見つけられます。
又、フクロウは他の鳥のようにせわしなくキョロキョロと眼を動かしませんね。思慮深げにゆっくり首を回して目線を移動します。これは、眼の周りに大きな眼球を支えるための骨があって眼球を動かせないからです。その分、首が270度も動きます。

聴覚も素晴らしく、丸っこい頭はパラボラアンテナのように小さな音まで集音できます。
視覚と聴覚のスペックが高いので情報収集力が素晴らしい。
これが「フクロウはなんでも知っている」とされる根拠ですね。

用意周到

フクロウの羽はとてもやわらかでしなやかなので羽ばたいても音がしない。
翼の先端はギザギザになっていて、猛スピードで飛んでも空気を切る音がしないようになっています。
これで獲物に気付かれることなく近づける。
これって「用意が周到」につながりますね。

 

日本におけるフクロウの縁起かつぎ

先に書きましたが、日本では古来フクロウは不吉な取り扱いでした。明治になって西洋のフクロウ観が入るまでフクロウを見るのは不吉なこととされていて、「源氏物語」にはフクロウは気味悪い物の代名詞として記述されています。
古代中国ではフクロウは母親を食べて成長すると思われていたため「不孝鳥」と呼ばれていた説があり、フクロウは邪悪な、不吉な動物とみなされていたそうです。
フクロウの漢字は「梟」ですが鳥の下にあるのはハリツケ「磔」の意味なんだそうですよ。

 

オッチャン
ゲッ!

日本でも不吉とされたのはこのような中国のフクロウ観の影響だったのでしょう。
明治になって西洋のフクロウ観に触れ、一転して語呂合わせのようにフクロウのよさを創作したのでしょうか。w

語呂合わせで縁起かつぎ

フクロウのフクは「福」ですから、なんでもくっつけられそうw 

  •  福老(幸福に老いる) 
  •  福籠(福がたくさん集まるカゴ)
  •  福朗(福が来て喜ぶこと、喜び一杯の福)*郎ではないです。
  • さらに不苦労というのもあります。これ、分かりやすくていいですね♪

 

どれもこれも今の私が欲しいものばかり♪

生態から縁起担ぎ

 御利益を並べてみましょう。

  1. 学業成就 
    これはミネルヴァ女神からの流れですね。家庭教師の会社だったか、フクロウ先生ってキャラもありますよね。
  2. 商売繁盛 
    これはフクロウの高い情報収集力の生態からきてますね。目利きがいいのは商売の基本ですよね。また、首が回転するので「首が回らないことに無縁」というありがたい生態もあります。
  3. 招福招来 
    名前に福がありますからね。
  4. 健康 
    ミネルヴァ女神は医学の神ですからその流れ。

 

「木彫り・フクロウ」で画像検索していてみつけたキーホルダー。ためらいもなくポチってしまいました。あ~!!! ものを減らしたばかりなのに!!!

時計と木彫りのフクロウのキーホルダー

時計はナースウォッチです。ビックリするくらい安かった。乱暴に扱っているのに狂いもせずとても役に立っています。
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木彫りのフクロウ

 

おまけ ~いただいたいきさつ~

これを頂戴した経緯は、私がジモティに出したレースカーテンを引き取っていただいたご縁です。
「御礼に手作りのフクロウをさし上げます。」
と言われたのですが、整理整頓でものを減らすことに夢中になっていたので『モノが増える!とんでもないっ』と咄嗟にご遠慮しました。

これまで愛着のあったグッズもエイッ!!!と捨てている最中。
もともと部屋に細々と物を飾らないし、飾るとしても好みに合うものを厳選しています。

 

見ていないものをいただくのもなぁ・・・
見たら見たで、好みじゃなかった時、断るのが大変だしなぁ・・・
そもそも手作りっていうのが曲者だよなぁ・・・

 

と引きました。ところが、ちょっとお話しをしたら、「何かのご縁かしら。いただいておこうかな。」という気になりました。

なかなか興味深い方でした。
そもそも、なぜジモティ利用であれこれものを集めているかという事情が面白かった。

ガンで余命宣告され、身の回りのものを片っ端から処分。後は自分しか残ってない・・・というまでになった。ところが、なんとガンが完治したんだそうです。完治ですよ。

え!? 
余命宣告されたのが完治ですか!?

とビックリして確認してしまいました。

 

そうなの。完治したのよ。まったく消えたのよ。
ガンが消えてまだ生きることなった。
こりゃ困った。なにもないから不自由で不便で。
それで慌ててジモティでかき集めているんだよ。

 

とおっしゃる。(笑)

へぇー。闊達にお話しされましたが、ここに至るまでには相当のお気持ちだっただろうと拝察されます。なので、こちらからあれこれ話すのはご遠慮しました。

お会いした時の外見は元気そのもので、末期ガンだったとはとても見えません。肥満ではなく、しっかりした頑丈そうな体つきの方です。バリバリ働いていらっしゃるように見えます。(実際はお仕事なしの年金暮らしのようです)
話し方とか話しのセンスは年上に感じますが、見た目は私より若い気もします。いずれにせよ、違ってもふたつかみっつ位しか違わないように感じます。

お話を聞いて 

この方、とんでもない「持ってる人」だわ。
そんな人が作ったものはなんかパワーがあるんじゃないのかしら。

 

と、妙な期待が膨らんできました。
私、四方八方どん詰まりの状況が長年続いているので、縁起物の力でも借りようか、という気になったのでした。
部屋が片付いたらいただく、という約束をしていたので、きのうお会いしていただいてきた、という次第です。

フクロウさん、手の平に乗せてそれとなく見ていると、心なしか心細く、ちょっと寂しい表情に見えます。作るモノって作る人の気分が移ることありますからね。ちょっと複雑な気分。

 

長文になりました、最後までお付き合いいただきましてありがとうございます。

 

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