大坂なおみ選手が全豪オープン優勝♪ ついに世界ランク1位に!
期待されてはいたものの、こんなに早く達成するとはたいしたものですね。
全豪オープン決勝戦前から、各バラエティーでは専門家を招いて盛り上がってましたね。その専門家諸氏が一様に、強くなった理由に「メンタルが強くなった」と解説してます。
サーシャコーチになってから、積極的にメンタルトレーニングを取り入れ、感情をオフにすることを意識してきたことが結果につながっているとか。
本人も全豪オープン決勝戦のあとに次の様に語っています。
「自分の感情を『無』にできることが、大人になったことなのかどうなのかは分からない。時に感情的になるのはとても自然なことだし。でも、そのようなこと(感情の起伏)でエネルギーを消費したくないの。コート上でも同じことを考えてる。」
大坂なおみ選手は感情をオフにするためにどんなことをしているのでしょうか・・・
目次
大坂選手の感情コントロール法~作り笑い
脳科学者の中野信子さんが指摘していたのですが、大坂選手は時々口角を上げていますが、あれで脳をダマしているそうです。
そういえば、試合中に(意味なく)ニコッとしたり、口角を上げてアルカイックスマイルを作ることがありますよね。
あれで脳をダマして感情を切り替えているのだそうです。
脳ってね、簡単に騙されるんだよ♪
楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しい
これは心理学では有名な「表情フィードバック仮説」に基づいたメンタルトレーニングで、なかなか興味深いです。
「表情フィードバック仮説」の基になったのは、100年も前の1880年頃にジェームズランゲ説です。
ジェームズランゲ説とは米国のウィリアム・ジェームズとデンマークのカール・ランゲという心理学者が(同時期、別々に)唱えた仮説です。
引用元 Wikipedia
この説は100年後になっても、さまざまな実験で検証され、多くの論文が発表されています。しかし、被験者の心理で結果に影響が出やすいので、実験のやり方そのものに疑問のあるものもあり、いまだに仮説の真偽は定かではないのですが、「表情フィードバック仮説」として心理学では有名で、メンタルトレーニングにも取り入れられているんですね。
行われた実験で興味深いものをいくつか紹介します。
表情フィードバック仮説の実験①
被験者には実験の本当の目的がわからない様に工夫された実験です。
実験参加者をふたつのグループに分けて漫画を読んで漫画の評価をしてもらいます。
●歯でペンをくわえて読むグループ
●唇にペンを挟んで読むグループ
グループに分けた意図:唇にペンをはさんでも表情に変化はないが、歯でペンをくわえると口角が引き上げられ、自然に笑っている表情になる。
【結果】:歯でペンを噛んで読んだグループの方が、漫画をより面白いと評価する傾向にあった。
【考察】:無表情で漫画を読むよりも、笑顔で読んだ方が楽しさが増す。
表情フィードバック仮説の実験②
実験参加者に電気ショックを与えて、電気ショックを受けても痛みを感じていないフリをした人と、そのまま痛がった人の生理反応を比較した。
【結果】:痛みを感じないフリをした人は、痛みを感じにくく、痛みに特徴的な生理反応が小さかった。
表情フィードバック仮説の実験③
怒りや悲しみの表情をすることが多いウツ病患者を、表情を作りにくい状況にしたら、患者の感情はどうなるか・・・!?という実験もあります。
ボツリヌス菌A型毒素を製剤化したものを注射すると、皮膚が内側から押し上げられて引っ張られるんだ。これでしわが消えて若々しくなるんだけど、表情が作りにくくなるんだよ。
整形美人は表情が不自然になるんだな・・・
ウツ病患者患の顔にボトックスを注射して、表情を作りにくくした・・・
【結果】:ボトックスを注射されたうつ病患者の症状は改善された。
この方法は、まだ問題が残されてはいるものの、際立った副作用などの心配がなく、治療費も低コストであるため、ウツ治療法として近年アメリカで注目を集めつつあるそうです。
大坂選手の感情コントロール法~涙
もうひとつの大坂選手の感情コントロール法は「涙でストレス解消・リフレッシュ」です。
これ、全豪オープン決勝戦でもやったんですよ。
第2セットを取られたあとの大坂選手のトイレットタイム。この時、ひとしきり泣いていたそうです。
涙を流すことで脳のストレスを一掃して、リフレッシュする効果あります。
大坂選手自身が「世界一の選手と戦っているのだから、勝とうというのではなく、謙虚にただプレーするべきだ。」とトイレットタイムに考えを切り替えるた、と話しています。
「涙リフレッシュ法」についてですが、つい先日テレビ番組で「企業でも取り入れているところがある」と紹介してました。
そのやり方ですが、複数の社員に泣ける小説を読ませて泣かせてましたよw
隣に座っている人が泣くと、雰囲気が盛り上がって(^^ゞ 他の社員もそれにつられるように泣き出してました。(横で見てるとなんか可笑しいですよね。)
涙を流すきっかけは何でもよくて、とにかく涙を出せば良い、って事のようです。
大坂選手の感情コントロール法~行動で示す
大坂選手が全豪オープン決勝戦でやっていた「感情コントロール法」もうひとつありました。
モヤモヤした感情を「行動すること」で一気に吐き出すのです。
第2セットでミスが続いて、イライラしてきた感情を一気に解消、リセットしようとやってました。具体的にやっていた行動は
ラケットを投げつける!
これ、テニス選手がよくやっていますよね。
アカンやろ!
これも、実は意味があるんですね。
モヤモヤした感情を行動で表現してリセットする効果があるそうです。
試合後の質問に答えて「感情はそのまま出すのが自然なものだし・・・」と話していますから、素直に感情を表現するメリットも熟知しているのでしょう。
しかし、これはやり方次第では火に油になっちゃう。
その駄目なケースは、全米オープン決勝戦のセリーナ選手が見せてくれました。
同じことをしてもリセットになるどころか、益々感情を煽ってしまう結果になっていましたね。
私的まとめ
「涙でリフレッシュ」というのは、私的にはいまいちですが、
作り笑いで脳を騙すというのは役立ちますねぇ。
口角を引き上げてみると、いきなり楽しくはならないけど(^^ゞ 「ふっ」と余裕が湧きますね。これは何回やってもそうなります。
余裕が湧いた、と気付いたらすかさず
「そうだよ、いまはやり過ごしてゆっくりしよう・・・」
とか
「そうそう、たいしたことじゃない・・・」
などと更なる方向付けをして増幅させる・・・
このやり方はなかなか有効だ、と思いました。
それと、瞑想をはじめて早い段階で口角を引き上げてみたら、すんなり「静」に入りました。(α波がでやすくなるのだと思います。)
これは何度か試しましたが、上手く行かないときもありますね・・・。