
ほとぼりが冷めましたが今月はじめに日米協調の円高誘導がありましたね。あれについて面白い指摘がありました。たまに見ているこのサイトBeRichです。米不動産投資をやっている日本人のブログで、こちらではお目にかかれないリモートビューイングなども含めた面白い情報収集をしています。最近の記事がなかなか面白かったです。
エビデンスを交えて彼独自の見解を書いています。それによると、今回の日米協調為替介入は「同盟国日本の円を守ることに協力した」形を取りつつ、実はベッセント長官が日銀を取り込んで(乗っ取って、と表現しています)「欧州資本に一矢報いた。」としています。
この日米介入について、通説として「米は国債の金利を抑える必要があり、ドルを支えなくてはならないからドル売りはできない。そこでユーロ売りに出た。」とされています。
ワタシは有利な円安の是正は日本にとって必要ない、と考えているので時折やっている日本政府のドル売り円買いは単に牽制で、”利益確定”(安く買ったドルを売って利ざやを現金化する)の機会にし、準備金の調整をしているんだろうと見ています。
高橋洋一氏が言うように「円安上等」なんですよ。日本はドルの資産が多いのだから円安よりドル高のメリットが大きい。企業の海外資産とGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と個人のNISA海外投資分の合計はほぼ一京円ですよ。これが円安の背景にあるドル実需だと唐鎌氏(みずほ銀行チーフマーケットエコノミスト)の指摘です。同氏のここ2回の投稿は興味深く説得力のあるものです。最新記事は23日まで無料で読めます。
話がズレました。BeRichさんの記事ですが、彼によると米国の金利、この場合政策金利ではなく、世界中の金融取引の基準(ベンチマーク)として使われていた金利のことですが、それは民間銀行の自己申告(言い値)で作られ、不正操作まで行われていたそうです。

民間の基準レート(LIBOR、TIBOR、TONAなど)とは銀行同士が短期間(翌日〜数か月など)でお金を貸し借りする実際の市場金利や指標のことだよ。

LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)は主要な大手銀行(パネル行)が「他の銀行から資金を借りるとしたらいくらの金利になるか」という数値を毎朝提示(申告)し、その平均値を計算して公表していました。実際の取引実績データではなく、銀行側の「自己申告(推計値)」に基づいて算出されていました。そのため、自行の経営危機を隠すために低めに出したり、デリバティブ取引で利益を出すために不正に数値を操作したりする事件(LIBOR不正操作問題)が2012年頃に発覚しました。
これでどんな事が起きていたか、Geminiさんに聞きました。相当詳しく答えましたが、バクッと次のようなことです。※詳細は文末につけました。

LIBORの「匙加減(自己申告)」によって、銀行側は実体経済や金融市場から巨額の利益を吸い上げたり、自行の都合の良いように市場を歪めたりすることが可能でした。
本来は「市場の需要と供給」で決まるべき金利が、大手銀行の数人の担当者のチャット一つで操作されていたため、「企業や個人、公的機関が知らぬ間に余計な利息を払わされたり、金融取引で損をさせられたりしていた」というのが、この問題の最も深刻な実態でした。
そして、この件で調べて知ったのですが、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)では取引量は圧倒的に米ドルでしたが、ドルだけでなく主要五カ国(英ポンド・日本円・ユーロ・スイスフラン)の金利も決めていました。
これ、なんとごく最近の話ですよ。このような背景があり、仕組みは正されたものの、欧州金融界の歪んだ実態は依然として残っているため、トランプ大統領はこれを完全に壊したいのだろう、というのがBeRichさんの見立てです。具体的には円とドルのキャリートレードをやっているファンドを叩いて資金を飛ばさせる。そのために今回のユーロ売りがあった、と指摘しています。
Geminiさんの解説を挟みながらワタシが思ったのは、そのキャリートレードがそもそも布石だったのではないか、と。キャリートレードでドルの流動性が高まることは米にとっては好都合ですしね。さんざんキャリートレードを膨らまさせて、いよいよ潰しにかかった、と。この読みをGeminiさんに話すと以下の返答。

急激な円高が始まると、円を借りていた欧州の金融機関はパニックに陥ります。損失を防ぐために、手持ちの資産(ユーロなど)を投げ売りして、急いで「円を買い戻して借金を返済」しなければならなくなります。この「強制的なユーロ売り・円買いの連鎖(キャリーの巻き戻し)」が、ユーロの価値を暴落させ、過剰なリスクを取っていた欧州の金融機関を一気に流動性危機(破綻の連鎖)へと追い込みます。
面白いですよね。
なかなか知り得ないことをずいぶん勉強できました。(笑)キャリートレード組が足掻けば何もしなくても円安は解消するし、米国債も売られずに済みます。余波で相場は動くでしょうが、GPIFが日本銘柄にシフトすれば日経は最小の影響で済みそうですしね。
これからは日本企業投資、国債購入に積極的に動いてもらいたい。
片山さんの話はあれこれ含蓄がありますね。
補 足
【LIBORで行われていた不正の具体例】LIBORの「匙加減(自己申告)」によって、銀行側は実体経済や金融市場から巨額の利益を吸い上げたり、自行の都合の良いように市場を歪めたりすることが可能でした。具体的には、主に以下の4つの手口が行われていました。
1. デリバティブ取引での「確実な勝ち逃げ」(八百長トレード)
仕組み: 銀行のトレーダーは、金利が上がるか下がるかに巨額の資金を賭けるデリバティブ(金利スワップなど)取引を行っていました。
手口: 決済日の朝、自行のLIBOR担当者に「今日はLIBORを少し高め(または低め)に申告してくれ」とチャット等で依頼し、自分たちが勝てるように金利を動かしました。
結果: 相手方(一般企業、年金基金、地方自治体など)から確実に利益(数百億〜数千億円規模)を巻き上げることができました。
2. 企業や個人への貸出金利の吊り上げ(ピンハネ)
仕組み: 企業の事業融資や個人の変動金利型住宅ローン、クレジットカード、奨学金などの金利は「LIBOR + ○%」という形で連動していました。
手口: 融資の利息見直し時期に合わせてLIBORを高めに申告します。
結果: 銀行は実質的な貸出コストが上がっていないにもかかわらず、一般企業や家計からより多くの利息を徴収し、銀行の利ざやを不当に拡大させました。
3. 経営危機の隠蔽(信用不安のごまかし)
仕組み: 通常、経営状態が危ない銀行は信用リスクが高いため、他行から資金を借りる金利(調達金利)が高くなります。
手口: 2008年のリーマン・ショック時など、資金繰りが苦しい銀行が「うちは低金利で資金調達できている(経営は健全だ)」と見せかけるために、LIBORの申告値を意図的に低く出しました。
結果: 市場や預金者を欺いて株価暴落や取り付け騒ぎを回避し、自らの延命を図りました。
4. 巨額の資金調達コストの圧縮
仕組み: 銀行自身が市場で債券などを発行して資金を集める際、その利息もLIBORを基準に決まります。
手口: 金利を低めに誘導しておくことで、銀行側は極めて安い金利コストで世界中からマネーを調達し、それを高利回りな投資に回して莫大なレバレッジ利益を稼ぎました。










